Episode No.893(20010706):人生の主人公
「機械と付き合うのは上手だが
人と付き合うのがヘタだと困るぞ。
人間社会で上手に生きるのが
世の中で一番難しいゲームだぞ」
ゲームにハマって我を忘れた後輩に、こんな言葉をかけたのは・・・
『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の主人公、両さんこと、両津勘吉だ。
現在『こち亀』のコミックスは、120巻を越えているが
私は全部持っていて、たいてい寝る前には繰り返し読んでいる。
寝る前に難しい本を読んじゃうと寝られなくなっちゃうからね。
でも・・・
痛快な『こち亀』の中にも、こんな名セリフは、あちこちに散りばめられている。
それが、人気が長続きしている秘密だとも思う。
同じ葛飾区を舞台とした下町人情モノと言えば
何と言っても『男はつらいよ』の寅さんこと、車寅次郎がいる。
渥美清の昔話を聞いた、山田洋次監督が作り出した
日本人の心に染みる永遠のキャラクターだ。
でも、残念なことに渥美清が亡くなって、寅さんの新しい物語は作れなくなってしまった。
最近、それこそゲームの世界で
実在の役者を3Dで映像化して人気を集めているモノがある。
今度は、なんと故・松田優作も3Dで蘇るとか。
声優も声がそっくりな人を使うらしい。
どうせなら・・・寅さんも蘇ってほしいな。
恋愛シュミレーション・ゲームなんかにして、ね。
漫画の主人公は・・・最初から永遠の命を持って生まれてくる。
もちろん、人気が続けばの話だが。
アニメのルパン三世も山田康夫が死んでも、栗田貫一が受け継いでいるし・・・
第一、歳をとらないというのが最大の武器。
『ゴルゴ13』ことデューク東郷だって、まともに歳をとっていたら、もう70は過ぎてるはずだし
サザエさん一家にいたっては・・・。
『こち亀』の両さんは、18巻くらいまでは、自分の年齢を37、8とハッキリ言ってるけど
今はもう年齢にはふれなくなった。
年齢にふれなくても成り立つようにまでなれば・・・それは、スゴイことだ。
私が両さんというキャラクターに惹かれる理由は・・・
もちろんハートフルなところもあるけれど
本当はズル賢いアイデア商売で七転八倒しているところに親近感を覚えているのかも知れない。
失敗の連続だけど・・・
失敗したというのは「自分でやった」証拠だよ、ね。
自分で何かをしないと・・・主人公には、絶対になれない。