Episode No.994(20011101):常識を知る人が常識を超える

「私はどんな目にあっても決して落胆しない。
 価値ある仕事をやり遂げるための必要条件は3つある。
 第一に勤勉、第二に頑張り・・・
 第三に常識である」・・・トーマス・A・エジソン

エジソンが発明王であることは誰もがよく知っているけれど・・・
発明王として今なお知られている裏側には
エジソンが自分の発明を世に知らしめる、さまざまな工夫をしたからに他ならない。

エジソンは発明家である以上に、起業家であり、プロデューサーだった。
だから、発明を事業として成功させた愛弟子、フォードを絶賛した。

つい先日、BBSのレスで・・・
正しいだけで勝てたら、広告屋はいらない・・・なんて書いたけど
どんなに素晴らしいアイデアも
まず、そういうアイデアがあること・・・
そして、どう素晴らしいのかを知らしめることができなければ役には立たない。

まして、それでひと儲けしようなんて思ったら、
黙ってて金を出してくれる人なんかいるわけがない。

エジソンの言う、勤勉と頑張りは・・・企画を作成するために必要なもの。
そして、常識はその企画を売り込むために不可欠な現状把握ということじゃないのかな。

現実問題というのが、置かれた立場によってまちまちなのと同じように
常識も立場によって、さまざまだ。

企画書には「現在の問題点」と「その解決方法」を記す場合が多い。
相手が常識として抱える「現在の問題点」が見えなければ企画にはならないだろう。

自分はこういうのが面白いと思う・・・と書いたところで
そんなモノに金を出す義理は、相手にはないんだからね。

自分にも相手にも・・・双方にメリットがなければ
仕事としての企画は成り立たない。

自分の価値を認めさせる第一歩は・・・相手の常識を理解することじゃないかな?

ニーズのないところに新しい企画なんて必要ない。
けど・・・必ずニーズはあるものだ。

それをつかむ勘どころと・・・
自分がやりたいこと、そしてできること。
それが、うまくクロスすると・・・商売になる。

もちろん、相手からニーズ・・・
言い方を換えれば悩みを聞き出すためには・・・信用がないとね。

最も売り込み先を間違えては意味がないけど・・・
あなたのアイデアを必要とする人は、きっといるよ。


参考資料:「心に感動を呼ぶこの名文句」大島正裕=編著 三笠書房=刊