Episode No.322(990907):アイデアに詰まったら 新しいアイデア・・・それは、おおよそ何をする時にも要求される。 それが仕事の中であろうと、趣味の世界であろうと・・・女を口説く時であろうと・・・。 石ノ森章太郎の『まんが家入門』に、確か「アイデアの練り方」という章があって、こんなようなコトが書いてあったのを覚えている。 アイデアというモノは決してゼロからは生まれて来ない。 どんなに斬新で新鮮なアイデアも、必ず何かがヒントになっている。 また、そのアイデアが本当にまったくこの世に存在していないモノであったとしたら・・・。 そのアイデアを、他人に受け入れてもらうコトはなかなかできない。 例題として出ていたのは、名作「サイボーグ009」。 まず、テーマを決める。 テーマは反戦、敵は死の商人たち。 そして肝心なヒーローを作る。 このヒーローがつまらないと作品は成り立たない。 新しいヒーロー像を考える時に、もしこれまでの漫画に出てくるヒーローばかり見ていたら、決して新しいアイデアは出てこない。 そこで作者は漫画とは、まったく別なモノに目を向けた。 スポーツ・・・チームプレイ・・・。 こうして完成した「サイボーク009」は、実は野球がヒントになっている。 アイデアに詰まったら、あまり考え込まずに、まず、まったく別のモノに目を向けてみる必要がある。 今まで自分があまり知らなかった世界を見れば脳を刺激されるだろう。 かと言ってイヤイヤ目を向けていたのではヒラメキも起こらないだろうから、好きなモノに目を向けて脳をリラックスさせてみるのもいいかもしれない。 とにかく壁にぶつかった時には、どっからでもいいから壁を壊すための道具を持って来るしかない。 凍結乾燥法という技術がある。 この技術の元になったのは、医薬品を乾燥させる技術だ。 これまで医薬品の分野だけで使われていたこの技術を単純に食品分野にもってきて大成功させたのが"インスタントみそ汁"。 新しい文化は、つねに異文化との融合によって誕生する。 新しいモノを生み出そうという意識と多少の知識さえあれば・・・。 あなたにも、その橋渡しは、きっとできるはずだ。
参考資料:「まんが家入門」石ノ森章太郎=著 「昭和・平成家庭史年表」下川耿史/家庭総合研究会=編 河出書房新社=刊
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