Episode No.359(991020):商売はギャンブルじゃない 「勝算が7割なければ、やるべきではない。でも九分九厘まで待っていたら勝機を逸してしまう」 とは、日本のビル・ゲイツともてはやされるソフトバンク・孫 正義の言葉。 ヘタな鉄砲も数打ちゃ当たる・・・とも言うが、現実はなかなかそうもいかない。 たいていは当たらないうちに弾が尽きてしまうのがオチ。 負け続けていたら、やろうとしているコト自体が続かなくなる。 また、99%の成功するというところまで待っていたのでは、やがて誰かに出し抜かれて、大きな失敗につながる危険性も高い。 彼女、あるいは彼氏がほしい!・・・と思い続けている人なら、きっと経験あるんじゃない?! 商売についても本質は何ら変わらないと思う。 とくに昔から"商い"は"飽きない"でなければならないと言われるほど続けることが大切だ。 一発当てて大金を手にすることは詐欺師にでもできるが、本当の商売は長く続いてこそ成功と言える。 何にしても長く続けるためには、失敗した時のリスク管理が重要なポイントになる。 「日本人は奇襲戦法とか、小が大を倒すという話が好きなので、信長というとすぐに桶狭間の戦いを思い浮かべがちですが、あとはつねに勝つべくして勝つという戦略を用いていたと思います」 これも同じく孫 正義の分析。 確かに、たとえ負けとわかっていても勇気をふりしぼって戦いを挑んでいかなければならない時はある。 だが、普通の人の人生にとって、それほど「いざ」という時がいったい何回あるだろう? あの織田信長でさえ一度か、あっても二度くらいなのに・・・。 年がら年中「いざ」、「いざ」言っているのは、つまり日頃の準備を怠っている結果にほかならない。 そういう人に限って、どう見ても「いざ」という時に尻込みしてしまったりするものだ。 未来を切り開くためには、それなりの投資が必要。 勉強だって自分への投資のひとつに違いない。 企業にとって人に投資することは、やはり必要なことには違いないが、人を育てるというコトと自分の子分を増やすというコトをまったく混同してしまっている経営者も少なくない。 優秀な経営者は人を育てるのがウマイ・・・どんな本を読んでも、そう書いてある。 しかし、よくよく読み込んでみると・・・。 直接、人を育てているのではなく、人が育つ環境やシステムを作るのがウマイのだ。 人に賭けるのは、やっぱりギャンブル。 そりゃあ、そんな優秀な人材が目の前にいれば幸せだろうけれど。 競馬馬じゃないんだから・・・ね。
参考資料「孫 正義/インターネット財閥経営」滝田誠一郎=著 実業之日本社=刊
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