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Episode No.519(20000426):ツブれてたまるか!

私が、偉人の話に興味を覚えるのは・・・それが「事実」だからだ。

あんまり大昔の話となると、本当に事実なのかどうなのか疑わしいモノも少なくないけど・・・。
それはそれで、いろんな想像をめぐられていると「ロマン」として楽しめる。

もちろん、
映画芝居漫画も大好きだけど・・・。
実際に生きた人たちの話には何とも言えぬ説得力を感じてしまうのは私だけではないだろう。

とくに自分がヘコんでしまいそうになった時に読む偉人伝はいい。

私の人生の中にも「どうにもならない」ような出来事のひとつやふたつはあったけど・・・。
そんな時・・・夢中で読んだのは、ブ厚い
チャップリンの自伝とディズニーの伝記だった。

また、偉人伝はそれを読む自分の年齢によっても、感じるコトやわかってくるコトが違う。

歴史に名を残す偉業を成し遂げた人が、今の自分と同じ年齢の時に何をしてたか・・・。
と、いうコトに興味がわいてくる。

自分と同じ時には、あの偉人だって、この程度だったんだ・・・と安心したり。
すでにここまでやっていたんだ・・・とあせってみたり。

でも、たいていは安心するコトの方が多いかな。
生まれながらにして「天才」で、それがあっという間に認められてしまう人など・・・。
偉人と言われる人たちの中にも、そうそういるモンじゃない。

そこから這い上がって来た人だから偉人と言われるほどになれたんだし、人間的な魅力もあるんだと思う。

このページにも再三、登場しているが・・・。
私が一番好きな実業家である阪急の
小林一三グータラ銀行員だったし・・・。
シュバイツァー博士が医者になったのは36歳の時だし・・・。
本田宗一郎が、世界のホンダをいっしょに作った藤沢武夫と出会ったのは・・・本田42歳、藤沢38歳の時。
カーネル・サンダースがフランチャイズ・チェーンを始めたのは、65歳の時だ。

もちろん、その歳になるまで、ただダラダラと過ごしていたのでは・・・。
とても開く花など育たなかっただろうけど・・・。
今ダメだからと言って将来もダメだと思いこむのは早すぎる。

少なくとも私の知る限り、20代や30代で「天職」をつかんだ偉人など、そう多くはいない。
よほどの「
天才」だったら10代で認められてるハズ・・・でも20代で死んでるかも知れないけど。

本田宗一郎は藤沢武夫と出会った頃、よく2人でこんな話をしていたらしい。

「小さくて、金もなく、経験がなくたって
 誰しもが納得できる大きな目標をもって、みんなが力を合わせていけば
 必ず世界に通用する会社になれるって信じてやったからね・・・」

本当は自分のまわりには味方だらけで・・・。
戦う相手は自分だけ・・・なのかも知れない。


参考資料:「本田宗一郎/潰れてたまるか!」坂崎善之=著 大和出版=刊 ほか

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