Episode No.947(20010907):人生を充実させるアイデア
職業としてのスタートは絵師。
やがて文筆家としても認められたかと思うと・・・
自家製薬の開発、販売に着手。
気がつけば、煙草入れの店まで経営していたというアイデアマン。
江戸時代後期に活躍した、このマルチ人間の名を山東京伝という。
今日、9月7日は山東京伝の命日。
文化13=1816年の今日・・・
山東京伝は、数々の異名とともに逝った。
よほど江戸文学に通じているような人でない限り
山東京伝の作品を目にしたことのある人はいないと思うが・・・
今も残る山東京伝の作品がある。
それは・・・「天ぷら」。
「天ぷら」というネーミングをしたのが、この山東京伝だと言われているのだ。
江戸時代のマルチ人間というと・・・思い出すのが、平賀源内。
源内もまた「土用の丑の日」というキャッチコピーを考案して
食の世界にもアイデアを提供している。
歴史に残る人は、誰でもアイデアマン。
自分のアイデアを実践して世に残したからこそ偉人と言われる。
ただ・・・
エジソンにしても、本田宗一郎にしても、井深 大にしても・・・
小林一三にしても・・・はたまた、ゲーテにしても
人並みはずれた稀少なアイデアが、ドンピシャと時流にのったわけではなく
人の何倍も考え実践した、そのうちのほんのいくつかが・・・
たまたま時流にのって時代を創ることに貢献したんだと思う。
他人に理解されない想いというのはあるかも知れないけど・・・
アイデアというのは他人に理解されないと価値はない。
自分だけが理解できるものはアイデアとは呼べない。
仮に成功の可能性を1%だとしたら・・・
少なくとも100以上のアイデアがなければ成功する可能性は、まずない。
逆を言えば、200のアイデアをカタチにできたら・・・
そのうちの1つか2つはモノになるかも知れない。
合理性を求めることは大切だけど・・・
楽をしたい気持ちを合理性という言葉に置き換えていたは何もできない。
第一、合理性だけを追求していったら・・・
生きることはバカバカしいことになってしまいかねない。
求めるべきは「合理性」より「効率的」であることじゃないかな。
効率を求めたら大切なのは・・・やっぱりスピード。
さまざまなアイデアで江戸庶民を楽しませた山東京伝は享年56歳。
現代人だからって・・・いや、現代人だからこそ
80、90まで健康でいられるという保証はないんだよ、な。
たとえ生きていたとしても・・・
年をとったからって自然に何かができるようになるという保証は・・・もっと、ない。