昨日は、あんまり暑かったんで昼に鰻を食べた。
とは言っても決して高級な鰻屋に入ったわけではなく、カウンター席で、しかもそのカウンターと後ろの壁との間が1mもないような「安く」鰻を食べさせることを売りにした店での話だ。
あんまりギューギューだったもので、かえって暑苦しくもなったが、鰻は一応うまかった。
こうして狭いカウンター席で汗だくになりながら食事をしていると、何となく「日本もアジアだなぁ」という気がしてくる。
かつて仕事で香港に行った時にも、ちょうどこんな感じの店で毎朝、食事をとっていた。
雑炊の中に餅が入ったような食べ物が、いたく気に入って、行く度に同じ物を頼んだのだが、どういうワケか出てくる物は毎回違っていた。
韓国に行った時は、現地にいる韓国人の友人に、朝はファーストフードの海苔巻き屋さんに連れて行ってもらった。
日本の海苔巻きと、まったく変わらない親しみやすい味で、ボリュームがあるうえ安い。
しかし、何と言っても韓国で食べた物の中で忘れられないのが・・・犬だ。
友人の話によると韓国では日本人が鰻を食べるのと同じ感覚で犬を食べるらしい。
土用の丑の日ならぬ、土用の犬の日・・・といった感じ。
もちろん食べさせてくれるのは犬屋だ。
犬の肉は蒸した状態で出てきて、見た目は鳥肉に似ていた。
味はサッパリしていて、胃にもたれないのが特長。腹もちもいい。
ペットとして飼われている動物を食べるなんて何だか残酷・・・と思われる人も少なくないだろうが、熱帯魚が泳ぐ水槽を脇目に見ながら、焼き魚を食べてることを思えば、やっぱり慣れの問題なんだろう。
そういえば「土用の丑の日」は、もともと鰻屋のキャンペーンのためにつくられたもの。
言うなれば鰻屋のバレンタインデー。
百科事典によると「土用」とは、雑節のひとつで1年に4回ある。
立夏の前18日間を春の土用といい、以下、立秋、立冬、立春の前の各18日間が正確には「土用」と呼ばれるべき期間。
しかし、一般的に「土用」と言えば、夏の「土用」をさすことになっている。
ちなみに「土用」を使った言葉には「丑の日」だけでなく、「土用波」というのもあるが、これは夏の土用ごろ日本の台風の影響などによって太平洋岸に起こる大波をいう。
「土用の丑の日」とは、つまり夏の土用の間の十二支の丑に当たる日をさすわけ。
ある鰻屋の主人に頼まれ、商売繁盛の決め手として「土用の丑の日」キャンペーンを考え出した男こそ、エレキテルでその名を知られる幕末の天才、平賀源内であった・・・という。
今度、飼うことになった犬は、とても食べられそうにない・・・な。