風が吹けば、オケ屋が儲かるが如く、新しい時代がくると必ず新しいモノが誕生する。
「アンタッチャブル」を生んだ、アメリカの悪名高い禁酒法が廃止されたのは1933年のこと。
禁酒法から解放された庶民たちは「待ってました!」とばかり、酒場に殺到したか・・・と思いきや、実はそうでもなかったらしい。
15年間にもおよぶ禁酒法のせいで、多くの庶民たちは、すっかり酒場に通う習慣がなくなってしまっていたのだ。
確かに、よほどの酒好きでない限り、酒も煙草も習慣というか、クセになっているようなところはあるよね。
寝る前に酒を飲むクセをつけてしまうと、いつしか飲まないと眠れなくなる。
飲まないと本心を言えない・・・というクセも困るけど。
それに加えて、禁酒法の時代にアメリカでは、ある飲み物が庶民の間に広がっていた。
1886年に誕生し、1892年の会社設立以後、急成長を遂げていた、コカ・コーラである。
家庭にソフト・ドリンクという喉をうるおすモノがあったために、酒・・・中でもビールの売り上げは、禁酒法が廃止されて以後、しばらくの間は低迷を続けることになった。
酒場に足を運んでくれないなら、家庭にビールを持ち込めるようにすればいい!
不況の中でこそ、アイデアが勝負。
こうして生まれたのが、缶ビールである。
缶ビールが誕生したのは、禁酒法廃止の翌年、1934年のことだ。
缶ビールが登場したおかげで、家庭にはもとより、ピクニックやスポーツの場など、屋外へもビールを気軽に持っていかれるようになり、当然、消費は拡大した。
売れない理由を言ってるだけでは、モノは売れない。
言い訳グセは、酒・煙草よりタチが悪い・・・よな。
現状を打破するには、習慣をかえないとね。