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Episode No.475(000306):卒業しよう

しばらくは何もしないで考えてみる・・・と、いうコトが許された時代が私にもある。

ところが、たとえどんな
悩みであっても、自分が行動を起こさない限り解決しない・・・。
と、いうコトがわかってくると、
余裕がないからはじめよう・・・と思えるようになってきた。

立場によって、やらなければならないコトは千差万別だし・・・。
できる能力も人それぞれによって違うコトは明白な事実だが・・・。
1日が24時間しかないというコトにおいては、どんな人間も
平等だ。

「もったいない」・・・が口癖だった技術者がいる。

盛田昭夫と共にSONYを築いた井深 大(まさる)だ。
1997年12月に亡くなるまで・・・その98年の生涯の中で、井深がボーッとしているところなど誰ひとり見た者はいないと言っても過言ではない。

仕事は確かに好きだったと思う。
サラリーマンは我慢してでも続けられるが、自分で商売をしていれば、好きでなければとてもできない・・・という場面は多い。
かと言って、井深がワーカホリックだったか・・・と言えばそうとは言えない。
好奇心と知識欲に飢えた、根っからの勉強家・・・というところだろうか。

もちろん大変な読書家で・・・手が届くところには必ず本が置いてある。
長年の親友だった
本田宗一郎は実学の名手で、本は滅多に読まなかったらしいが・・・。
「そのかわり本に書かれている内容は、井深のアニキに聞いてるから充分だ」と言っていたらしい。

家族と出かけた時にもデパートやコンサート会場では、そこの音響システムを裏の裏までのぞいて見る。
何をしていても勉強にしてしまう、そのパワーは周囲をうならせたという。

晩年、手先が思うように動かなくなってきて・・・孫にワープロを習い始めた。
キーボードがそこそこ打てるようになったら・・・真っ先に本田に手紙を書こうと思っていたが・・・。
本田の寿命に・・・それは間に合わなかった。

井深には、もうひとつ口癖があった・・・それは「卒業だよ」

長い時間かけて開発してきた技術であっても商品化の目処がたつと「卒業だよ」の言葉を残して、井深はすぐに新しい開発の作業をはじめてしまう。

興味があるのは、つねに未来・・・「5年後の商品は、60%が今の世の中にないものだ」

さて、あなたはこの春、何から卒業する?


参考資料:「井深大語録」井深大研究会=編 小学館文庫=刊

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