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Episode No.297(990809):か弱き現代人

失業率の増加が社会問題となっている。

リストラの嵐が、定年を数年後にひかえた年輩者から、徐々にまだまだ稼がなれけばならない年齢層にまで下がって来ているという。

失業率というのは
ハローワークでの求人情報と職を求めている人のバランスではじき出されているらしいが、一家の大黒柱が失業してしまうと、家計を支えるために奥さんも働かなければならなくなるため、女性の求人がイッキに増えて、失業率も急激に上がる・・・という現象が起こるようだ。

家計を支えるために仕方なくカミさんにも働いてもらう・・・と思うと、情けなく感じる男は少なくない。
良妻賢母として家にいてほしい・・・というのは多くの男が望む家庭の姿だろう。

男女雇用平等法ができた現代において、そんな考え方をするのは古くさい・・・という人も少なくないとは思う。

実は、この「良妻賢母として女性は家を居る」という考え方は、明治維新以後に浸透してきたモノで、その昔、江戸の頃には結婚しても女性は働くのが当たり前だった。

最も日本人は、もともと農耕民族だから、江戸以前も"食べるため"に夫婦そろった田畑で働くのは当たり前の話。

もちろん、今よりもずっと多い子供たちを育てながら。

江戸時代に入ると、農民だけでなく、商人や髪結いなどのサービス業、芸者など職業も多彩になっていたから、現代以上に女性の社会進出はめざましかった。

明治に入って、西洋から新しい技術が導入された直後も製糸産業をはじめ、女性の労働力が日本の産業を支えていたことは間違いない。

さらに時代が進むと、技術が高度になる一方、社会で活躍するためには教育レベルが問題になってきた。
そのあたりから、次第に男女の格差が生じ、また女性が手作業で行っていた、さまざまな作業も機械がとって代わるようになる。

しかし現代。
機械はさらに進化し、その気になれば素人でも3ヶ月で遺伝子操作が行えるレベルまで到達しいてるし、女性の教育レベルが男性より低いと言う人も、もはやいないだろう。

時代は130年かけて一回転しつつある。
これは、来る8月11日に惑星が十字架のように並ぶというグランド・クロスと何かかかわりがあるのでは・・・と思い、ちょっと調べたが、まったく関係なかった。
まだ、
ノストラダムスから完全に抜けてない・・・。

考えてみれば明治維新から今までの130年より、徳川300年の方が倍以上長いワケだし、一見豊かな近代化って一面、人間をか弱くしちゃってるよね、女も男も。

昔の方が良かったなどとは思わないが、
江戸時代の知恵もまだまだ学ぶ必要は・・・あるな、やっぱり


参考資料:「大江戸庶民事情」石川英輔=著 講談社文庫=刊

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