Episode No.910(20010726):愛される皮肉屋たち

「これまで読んだもののうち、もっとも有益だった書物は?」

との問いに・・・

「貯金通帳」

と答えた男・・・
今日は、そんな皮肉屋の劇作家、バーナード・ショーが生まれた日だ。

う〜ん、言ってみたい・・・その一言。

イギリスの文豪として知られるショーが生まれたのは、今から145年前の1856年。
場所はアイルランドのダブリン。

1925年、69歳の時にはノーベル文学賞に輝いたショーだが・・・
大学を出ていないどころか、小学校を卒業すると同時に働きに出ていた苦労人。

20歳から文筆活動をはじめ・・・
ユーモアとウイットに富んだ作風が広く大衆の心をつかみ
講演などでも活躍した。
今ならさしずめ、ワイドショーのコメンテーターにでもなっていたことだろう。

「女の自惚れを満足させてやるのが
 男の至上の悦びであるのに反し
 女の至上の悦び
 男の自惚れを傷つけることである」

うん・・・かなり傷つけられた覚えはあるな。
あ! 去年の今日も同じ言葉を紹介してる・・・かなり根深い。

憎まれっ子世にはばかるの言葉通り・・・
ショーは、1950年・・・94歳まで毒舌を吐き続けた。

臨終の言葉は・・・
「大事にしなくていい、こんな骨董品」

最後は自分の肉体にまで、皮肉を言って死んでいったらしい。

皮肉といえば・・・
チャーチルマーク・トゥエイン・・・
それからエジソンアインシュタインなどの言葉にも有名なモノは多い。

的を射る皮肉を言うためには・・・
そのモノの本質を理解していなければならないし
それを自分なりに分析できていなければならない。
しかも、的確な場所とタイミングがあってないと、皮肉にならない。

つまり、かなり頭の回転が速くないと・・・うまい皮肉は言えない。
ビートたけしなんかも・・・かなり頭良さそうだもんなぁ。

ただし、こういう頭のつかい方は・・・学校では教えてくれない。
そして・・・
やっぱり皮肉だけ言ってるだけでは・・・誰も相手にしてくれないよ、ね。


参考資料:「今日は何の日」PHP研究所=刊
     「歴史の意外なネタ366日」中江克己=著 PHP文庫=刊 ほか