Episode No.909(20010725):心にいいこと、何かしてる?

机のわきに重ねられていた『「らしさ」の心理学』という本を
ふと手にとってみた。

ずいぶん昔に古本屋で買ったものだと思う。
どこまで真剣に読んだかも忘れていた。

毎日、こうして何か書く前には必ず何かを「ふと」見てから
おもむろに書き出すことが多い。
ただ、うなっていてもなかなか言葉が出てこないので・・・
脳のツボを何かで押してやるわけだ。

どんな本でもパラパラめくっていくうちに・・・
やがて注目する場所がある。

それは、その時、自分が興味を持っている事柄だったり・・・
気にかけていて、納得できる答えを探しているモノだったり・・・

『「らしさ」の心理学』では、こんな項目が目についた。

「やせたタイプの人を"分裂質"と呼び
 感覚がデリケートで、孤独を好み
 時に冷淡さと利己的な態度を示すのが特徴である。

 太ったタイプの人は"躁鬱質"と呼ばれ
 陽気で、気分のゆったりとした開放的な性格の持ち主で
 精力的な実際家に多い」

血液型による性格判断と同じで・・・
身体的な特徴で性格が特定されてしまうという考え方は極端すぎる
と、著者の心理学者も言ってはいるんだけど・・・
ようするに「そういう傾向が強い」という統計上の話だよね。

この例で言えば、私は明らかに後者・・・しかもB型だ。

実は、かなり以前・・・
自分を躁鬱病じゃないか、なんて疑ったことがある。
まぁ、今思えば・・・心理的に不安定な思春期にはありがちなこと、程度の話だが。

実は、先日聞いた山田太一の話にもあったんだけど・・・
本来、物事を言葉で説明のつくカタチに当てはめようとするのには無理があるが
そうしないと落ち着かないのが人間のサガでもある。

漠然とした不安を持ち続けるのはつらいもの・・・
本当はそこで行動を起こして"不安な今"からの脱却をはかれればいいんけれど
なかなか、それができない。
そこで・・・手っ取り早い答えを"言葉"に求めてしまう。

場合によっては・・・
自分は病気なんだ、と思うことが救いになったり
医者から薬をもらって飲むと安心したりする。

当然、程度の問題はあるから一概には言えないし・・・
実際に重い心の病に悩んでる人を避難するつもりは毛頭ないけれどね。

中には病気のフリをして、本当に病気になっちゃう人もいる。

そういえば自律神経失調症なんて病気は、実はないんだという話を
医者がしているのを聞いたことがある。
原因不明と言われると患者の不安を増大させてしまうので
安心させるための病名が自律神経失調症だって・・・
だから同じ自律神経失調症でも症状は人によって、まちまちだ。

スポーツクラブで体力測定をして・・・悪い数値が出た時、
運動不足を実感すると同時に
この測定方法で健康を実証できる人なんか本当にいるのか、とも思った。

誰が作ったギャグだったか忘れたけど・・・
「健康のためなら死んでもいい」なんてセリフがあったな。

ひょっとしたら、放っておくと鬱になりかねない私にとって
こうして毎日"勇気の出る話"を書くのは、かなり効果的な健康法かもね。

無論、不摂生はよくないけれど・・・

葉巻をくわえたチャーチルは、あるパーティの席で、こんなことを言われた。
「私は酒、煙草をやらないおかげで100%健康ですよ」
そこで、チャーチルはニヤリとして、こう答えた。
「じゃあ私は酒も煙草もやるから・・・120%健康だな」

自分の健康は、自分のやり方で守らないと・・・
とくに心の健康は、ね。


参考資料:「らしさの心理学」福富 護=著 講談社現代新書=刊 ほか