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Episode No.597(20000726):自分の言葉で話せますか?

「女の自惚れを満足させてやるのが、男の至上の悦びであるのに対し、
 女の至上の悦びは、男の自惚れを傷つけることである」

この「ドキッ」とする名言を残した風刺の大家
ジョージ・バーナード・ショーが生まれ故郷アイルランドに産声を上げたのは・・・
今から144年前の今日、1856年7月26日のコト。

『運命の人』や『人と超人』という戯曲とともに、彼の饒舌な評論や講演はたいそう人気を呼んだそうだ。
冒頭のひとコトを読むだけでも、その人気の秘密はわかるような気がする。

1925年にはノーベル文学賞も受けている。
そういえば今の
ノーベル賞の賞金って、1億4,000万円なんだってね。
宝クジの賞金より貰える確率は低そうだけど・・・。

昨日、紹介した
フロイトが行った精神分析もそうだけど・・・
芸術家や科学者など、ある分野を深く追求している人たちが、たどり着こうとしている先はつねに「真理」。

人間にとっての「真理」は言い換えれば「どう生きるべきか」という哲学に通じてくる。
「どう生きるべきか」を知るためには、まず人間とは「どんなモノなのか」を知る必要があるワケで・・・。
賢人の残した多くの言葉は、そのヒントを与えてくれる。

ただし、同じ言葉を読んだとしても・・・
知ろうという意識がない者に、その意味を理解するコトできない。

よく
学校の先生に・・・「わからないところがあったら質問しなさい」と言われたけど。
少しでも問題について理解していないと、いったいどこがわからないのかさえ、わからない。
質問というのは、ある特定の部分を指して言う、きわめて具体的なモノだ。
つまり、まったくわからない人には質問すらできない。

せめて質問ができるくらいの理解は持っていないと・・・話はまったく進まない。
その理解は・・・やっぱり、ひとりで淡々と頑張って自分でモノにするしかない。

自分で起きあがって、自分で顔を洗い・・・
自分で着替えて、自分で出掛ける支度をする。
それができないと、友達のところへ遊びに行くことさえできない。

これは本来、幼稚園や小学校の頃に徹底的に仕込まれた生活上の必須条件。

パジャマ姿のまま受話器を握ったり、あるいはテレビやパソコンのスイッチを入れて・・・
そこそこ、他人を理解できたつもりになったり、最新のニュースを知ったつもりになっても・・・
実は今日の天気さえ知らずに一日を終わる・・・ってコトもあるだろう。

会って楽しく、また刺激を感じさせてくれる人は・・・必ず自分で何かをやっている人だ。

他人につまらない思いをさせたくなかったら・・・
見たり聞いたりするだけじゃなく、やっぱり自分がやったコトを話せるようになるコトだろう、ね。

そりゃあ、女の人に自惚れを傷つけられた話なら・・・
私にもクサるほどあるけどね。


参考資料:「今日は何の日」PHP研究所=刊

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