Episode No.2827(20070912):
配慮
何の気なしにテレビをつけた。
画面に映し出されたのは、
ベタな感じの宇宙人のイラスト。
男性と女性に見える。
名前は「イピピ」と「オポポ」。
平日の午前中のことなので、
小学生向けの学習番組かと思ったら・・・
学習番組には違いはないが
大人向けの「知るを楽しむ」だった。
さて、この男性と女性の宇宙人。
道行く人に、
どちらが「イピピ」で
どちらが「オポポ」なのかアンケートをとる。
すると・・・
老若男女、外国人も含めて
女性が「イピピ」で、
男性が「オポポ」だと答えた。
はたして、どうしてこうなるのか?
言葉の面白さを紹介するこの番組では、
言葉は意味によってだけでなく、
音によって伝わっている。
さらに、音は声によって伝わっている
・・・ということを解説していた。
ようするに・・・
コミュニケーションをとるうえで大切なのは、
何を伝えたか、より、
どう伝えたか・・・ということなのだ。
そもそも人間は
共通のあるイメージを持っているので、
同じ言葉でも伝え方によって、
イメージが異なってしまう。
絵でも同じことで、
最初に見た宇宙人のイラストを
男性と女性だと、なぜ認識できたのか?
宇宙人なんて見たこともないのに、ね。
よく、メールの表現でもあるのが・・・(笑)。
バカじゃないの!
・・・と
バカじゃないの!(笑)
・・・とでは、伝わるイメージはまったく違う。
正しい内容を伝えているつもりでいても
相手に伝わらなかったり、
場合によって誤解されてしまうのは、
機械ではなく、人間に伝えているという
配慮に欠けているのだと思う。
そういえば昔・・・
「徹子の部屋」に出演したタモリさんが、
サラリーマン時代の上司の話をしていた。
保険の外交員だった彼は、
新人時代に最も成績のいい上司についてまわった。
しかし、その上司は
保険の内容など、ろくすっぽ知らず、
「大丈夫。お任せください」とだけ言って
客を獲得していた・・・という話。
それでいいとは言わないが・・・
それがなければ、うまくはいかない。
そして、それは・・・
テクニックではなく人間力なのだ。