Episode No.1379(20030124):
デザインで世界を征服した男
トヨタ自動車の大衆車「カローラ」
2002年、世界での販売台数が100万台を突破!
・・・というニュースが流れた。
「カローラ」の発売は1966年。
以来、世界15カ国で生産され、140カ国で販売。
累計100万台は日本車として初の快挙だ。
しかし、上には上がいる。
世界初のベストセラー・カーとなったのは
大衆車第一号のT型フォードで
累計販売台数は約1,500万台。
その記録を塗り替えた車と言えば・・・
あのフォルクス・ワーゲン、ビートルだ。
販売台数が100万台を突破したのは
もう半世紀近くも前の1955年。
1974年にはT型フォードの記録を抜き、
累計販売台数は1,800万台を数えた。
この“20世紀、最も愛された車”を設計したのは
かの有名なポルシェ博士。
ダイムラーに席を置いていた時には
芽が出なかったポルシェ博士は独立の道を選ぶが、
一度失敗。
そのポルシェ博士に白羽の矢を立てて
大衆車を作らせたのは・・・かのアドルフ・ヒトラーだ。
ビートルの独特のフォルムは、
絵心のあるヒトラー自身が
ポルシェ博士の試作車に手を加えて
デザインを起こしたもの。
デトロイトに負けない自動車都市を作る
・・・というヒトラーの野望は
ワーゲンの本格生産目前にした破れたが、
車両不足に悩む占領軍によって工場は再会され
戦後は敗戦国の復興を担う
中心的な産業として発展を遂げた。
ドイツを敗戦に導いたのも
復興させたのも・・・
実はヒトラーだったという、皮肉な話。
私もかつて、ビートルに乗っていたことがある。
実に密閉製のいい車で・・・
窓が少しでも空いていればいいんだけど、
窓を閉めていると空気が逃げるところがないので
ドアを閉めるのにコツが必要だった。
昔のワーゲンの広告に
水に浮いてるビートル、というのがあったけど
・・・確かに浮きそうなくらい。
ニーズが多様化している現代では、
もうビートルの記録は破れないかもしれない、ね。
そういう時代に「カローラ」の100万台は
・・・やっぱりスゴイ、か。