広告とPRの違いをご存じだろうか?
広告は英語で言えばadvertising。PRは、 Public Relationsの略である。
両方とも、いわゆる宣伝には違いないが、同じ宣伝でも手法が異なる。
簡単に言えば、広告の場合は新聞や雑誌、あるいはTV、ラジオのスペースや時間を買い切って、その中で自社製品の宣伝をする。
PRの場合には、新製品の情報や企業PRがらみのイベントをニュースとして、マスコミに取り上げてもらうために仕込みをする。
あくまでもニュースなので、ほかに大事件が起これば、そちらにスペースや時間を割かれるので、広告のように100%確実に載るとは言い切れないが、企業からの一方的なメッセージである広告とは異なり、マスコミという第三者の目を通して取り上げられた話題なので、より信頼できる情報として伝えることができる。
広告代理店では、広告もPRも一手に引き受けているところが多いが、PR専門会社というのもある。
そこではマスコミへの仕込みのために、まずプレスリリースと言われるニュースの素となるレポートを作成し、取り上げてくれそうなマスコミのコーナーを調べ上げて、それらへ情報を発信する。
プレスリリースは、普通A4判の単色刷りで、新製品発表であれば新製品の写真が、そのまま印刷にまわせるよう貼付されていることが多い。
大手マスコミには、たいてい文書受付と呼ばれる窓口があって、そこには毎日、何十通のいう数のプレスリリースが集まってくる。
PR会社では、その中でも自分が請け負った会社の情報が何とかしてニュースになるように知恵をしぼる。
単なる新製品情報では、よほどインパクトのある商品でない限りニュースにはならないので、事前に客先と打ち合わせて、例えばその新製品を福祉施設に寄贈したりして、新製品の発表そのものではなく、福祉施設に寄贈した商品が喜ばれているということをニュースにしてもらうよう、し向けたりする。
かつてNHKで「あなたが生活をするのに衣食住のほかに必要なものは何ですか?」というアンケートを日米同時に行った。
日本人が必要とする物の第1位はテレビ。次いで新聞、電話。
アメリカ人の場合は、第1位が車で、2位は冷蔵庫。その次に電話で、テレビや新聞はかなり下だったという。
情報好きも結構だが、実はその情報の多くは、ある目的のために作られたものであることも知っておくべきだろう。