Episode No.1003(20011112):窓際・不手際・瀬戸際

大きな企業といえど、なかなか厳しいご時世。
だけど、まだまだ年功序列終身雇用のクセはヌケきっていないのが現状だよね。

会社が大きくなればなるほど・・・
まるで大臣のように社長はコロコロ替わるが、下の組織はほとんど変わらない。

トップにしても・・・ようやく登りつめた地位にミソをつけたくないから
問題をドンドン先送りにして
自分がいるうちは何とかかわしている、というのが実体じゃないのかな。

自分があと、10年、20年、30年とトップでい続けなければならない
と思ったら、発想も変わるだろうけれど。

さて・・・
大きな会社に行くと・・・不思議と何も仕事をしていない人たちがいる。
その会社の誰に言わせても・・・まるで新聞を読みに来ているような人。
いわゆる「窓際族」だ。

しかし・・・
こういう「窓際族」に月給を払い続けることができるという点で
やっぱり大企業は大企業なんだな、と思う。

小さい会社の場合は、そうはいかない。
そんな人に給料を支払っている余裕などないから・・・即刻、辞めてもらうしかない。

だが・・・
「窓際族」の替わりに、どんな小さな会社にもいるのが・・・「不手際族」だ。

とりあえず朝から晩まで何かバタバタとはやっている。
けれど忙しそうに動いているわりに一向に成果は見えて来ない。

そういう人たちがやっている仕事の大半は・・・クレーム処理。
マイナスをゼロに近づける作業だから、プラスが見えるはずはない。

クレーム処理が、あらかじめ与えられた仕事だというのなら話はわかる。
でも、たいていはそうじゃない。
自分が生んだマイナスを埋めるべきバタバタしているうちに・・・
また次の仕事でマイナスを生んでしまう。

その堂々巡りをしているのが・・・「不手際族」の特長だ。

そういう人たちに限って「会社のシステムが悪い」と口にするのも特長。
会社や組織のシステム・・・って、何?
システムさえあれば誰にでもできる仕事なら・・・社員じゃなくてバイトで充分。

「今日の組織は、現在のフォード・モーター会社も含めて
 本質的には"知識の組織"である。
 それは数百の、ときには数千の特別化した知識を
 生産的ならしめるために存在している」・・・ドラッカー(米・経営学者)

つまり・・・"知識"や"知恵"のないところに"組織"などない。

年齢が上である以外、バイトと変わらないコトしかできない人たちを
社員として雇用できる企業は急激に少なくなってきている。

「不手際族」の明日は・・・「瀬戸際族」なんだ。


参考資料:「心に感動を呼ぶこの名文句」大島正裕=編著 三笠書房=刊