Episode No.072:立場は場所によって決まる?!
"光の多いところには、強い影がある"
ゲーテの言葉だ。同じゲーテの言葉に、こんなのもある。
"どんな小さい毛髪でも影を投げる"
物事はすべて表裏一体。どんなにイイと思うことにも反対をする人はいる者だ。
茶道が有名な流派に"表千家"と"裏千家"があるのも、その一例。
いずれも、かの千利休が大成した茶道流儀の"利休流"の流れを継いでいる。
この"利休流"が二流派に別れたのは、利休のひ孫の時代。
"利休流"は利休の孫、宣旦によって、当時は"宣旦流"と呼ばれていた。
宣旦は隠居の際に、それまで住んでいた「不審庵」を三男・宗佐に譲って、自分は四男・宗室とともに「不審庵」の裏手に建てた「今日庵」に移り住んだ。
宣旦の死後、"宣旦流"をどちらが受け継ぐかということで、宗佐と宗室の間で対立が起こり、この時の敷地内の関係から、宗佐が教えたのが"表千家"、宗室が教えたのが"裏千家"と呼ばれるようになった。
そういえば、保守派を"右翼"、革命派を"左翼"と呼ぶきっかけも、この事情に似ている。
フランス革命当時、国民議会で議長からみて右に保守派、左に革命派を位置させたことから、こう呼ばれるようになったという話。
そう考えると、なんとなく自分が今いる場所・・・というのも決して軽視できない。
あなたのオフィスでの席は"窓際"ではありませんか? |