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Episode No.426(000107):要領の悪い奴

昨日とは逆に、今日は要領の悪いヤツ・・・について書ていみようと思う。

いかに身分が高かろうが、歳をとっていようが、要領の悪いヤツというのはいるよね。
年功序列で上に行けた時代ならともかく、これからの世の中ではどう考えても、そういう人は不利。

さらに大昔・・・戦争やってた時代なら、まず真っ先に殺されてしまう。

ヨーロッパでは封建時代に鎧に身を固めた騎士が活躍した。

14世紀以降になると、その鎧をも打ち抜くような強力な弓が開発されて、さらにその弓を防ぐために、鎧は次第にブ厚くなっていった。

15世紀に入る頃には騎士が身につける鎧の重さは軽いモノでも60kg、重いモノになると80kgもあったという。
もう、こうなるとゴジラの着ぐるみ状態で、1人で着るコトもできなければ馬に乗るコトもできない。
ようやく人に担ぎ上げられて馬にまたがったところで、馬は速く走るコトはできない。

まして馬は鎧を着けているワケではない。
馬が弓にやられて横倒しになると、そこに残されるのは1人では満足に起きあがるコトもできない重装備の騎士。
こうして、位が高くリッパで頑丈な鎧を着けた騎士たちも、身軽な歩兵の短剣や斧で、いともアッサリやられてしまった。

近くで見れば赤い布も、少し離れて見ると日の丸だったりすることがある・・・というコトは
前にも書いたけれど。
要領のイイ奴というは、やっぱり物事の全体像をつかむコトに長けている。
たとえ「ざっくり」だろうが、少なくとも自分が今どこにいるのかを知っている。

要領が悪いって奴って・・・結局、物事の全体像をつかむコトがヘタな奴のコトなのかもしれない。
全体が見えないから、目先のコトにとらわれ、ひたすら追われてしまう・・・。

ひたすらマジメにやるってコトと効果を上げるってコトは・・・別問題でしょ。
言われた通りマジメに動くだけだとしたら、人は機械にはかなわない。


参考資料:「世界史おもしろこぼれ話」石井武夫=著 三笠書房=刊

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