Episode No.904(20010719):誰が為にあきらめる?

映画『誰が為に鐘は鳴る』の中で
イングリッド・バーグマンが、ゲイリー・クーパーに言う。

「キスしたくても、仕方を知らないの。鼻と鼻をどうすればいいの?」

何て素朴で純粋無垢な女なんだろう・・・なんて思えるのは映画の中での話。
現実に男がこんな風に言われたら・・・バカにされてると思っちゃうだろうな。

それとも・・・
その相手に本気で恋していたら、何でも許せてしまうのかも。

ベーゴマから性体験まで・・・
大人になるまでに見聞きすることは「やってみたいけど仕方がわからない」ことばかりだ。

それだけに生きていることは、とても刺激的で毎日が充実・・・
夏休みなんか、はじまったと思ったら、アッという間に宿題に追われる始末。

仕方がわかる・・・というのは、言い換えれば技術を修得するということ。
そのために、あれこれ勉強が必要するわけだ。

とりあえず、食っていけるだけの技術を習得すると・・・
なまけ心が出できて新しいことに挑戦しなくなる。
同じことを繰り返している方が楽だからね。
そのくせ・・・
毎日の充実感がなくて、つまらない・・・なんて口にする人も少なくない。

若い時には技術がない分、必要以上のエネルギーがあるが・・・
年をとるとともに、技術がエネルギーのなさを補うようになってくる。

けれど・・・そもそもエネルギーの源とは何か?

それは、人それぞれかもしれないが・・・
ひとコトで言えば、好奇心・・・なんだろうな。

目の前にあるモノに興味を示し、
さらに「自分でもやってみたい」と思う気持ち。

人並みに好奇心は持っているつもりでいても・・・
「そこまでは、できない」と決めつけてしまう、あきらめの良さと言うか
ヘンなところで大人ぶった態度が・・・自分の人生を枠で囲んでしまう。

放っておいても社会的に枠組みがつけられてしまうというのに・・・
そのうえ、自分で自分に枠をつけて・・・どうするんだ?!

自戒というのは、自分で自分のケツをひっぱたくためのモノで・・・
楽をするための大義名分なんかじゃない。

この世の中で誰かがやっていることであれば・・・
やらせてもらえないコトなんて基本的にはないもないと思う。
やらせてもらえないんじゃなくて・・・自分ができないだけなんだ。

できない自分を放っておくかどうかは・・・やっぱり自分次第。
1年後に今と同じコトしかできなかったら・・・悔しいよね。


参考資料:「映画のクォート事典」ハリー・ホーン=編著 高橋千尋/袴塚紀子=訳編 フィルムアート社=刊