Episode No.902(20010717):変革の時

今日、7月17日は・・・「東京」の誕生日。

「都民の日」は10月1日なんだけど・・・
今から133年前の慶応4=1868年の今日「江戸」が「東京」と改称された。

ちなみに元号が「明治」になったのは、この年の9月8日。
江戸時代が終わると同時に「江戸」が「東京」になったとう印象が強いけど
厳密に言うと江戸時代から「東京」はあったことになる。

知っての通り「東京」という名称は・・・
「京都」に対して「東」の「京」ということで名づけられたもの。

なぜ「江戸」を「京」にしなければならなかったのかというと・・・
簡単に言えば、京都にいた天皇を幕府の中心であった江戸に移して
名実ともに時代が変わったことを日本中に知らしめる必要があったから。
つまり・・・
天皇がいるところは「京」じゃなきゃいけないから
「江戸」を強引に「京」にしてしまったワケだ。

西郷の歴史的な会談で、江戸城の無血開城が決められ・・・
同じ年の4月11日に江戸城は、すでに官軍に引き渡されていた。

が、まだ鳥羽・伏見では薩長軍と旧幕府軍が戊辰戦争のさなか・・・
そこで天皇は「東京」と名づけた「江戸」へ行ったり、京都に戻ったり・・・
江戸城が、そのまま「東京城」と呼ばれていた時もあった。

最終的に天皇が東京に落ち着いたのは、翌年の秋になってから。
行政の準備も整い「東京」が「首都」として機能しはじめたのは、明治4年になってからだ。

さらに新しい制度によって、
伊藤博文が初の内閣総理大臣に選出されたのは明治19年。

江戸時代から明治時代になって大きく世の中が変わったのは
誰もが知るところだが・・・
何も元号とともにピタリと変わったわけではない。

そう考えると・・・
小泉首相が言うように
「まだ新しい内閣は、はじまったばかり、これからだ」と言うのもわからないではない。
私は別に、とくべつ自民党支持者でも何でもないけれど、ね。

世の中のことというのは、イヤでも変わっていくけれど
変えようと思うと、なかなか変わらないのも事実。

政治の世界はもちろんそうだと思うけど・・・
仕事においても、世相をあおるシンボル操作というのは
良かれ悪しかれ重要だ。

だから広告屋の仕事があるんだけど、ね。
しかし、で固めた内容が通るほど・・・世の中は甘くない。


参考資料:「歴史の意外なネタ366日」中江克己=著 PHP文庫=刊 ほか