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Episode No.167(990310):東京府東京市

知っての通り「東京」は、かつて「江戸」と言われていた。
「東京」が誕生して、今年で131年目になる。

誕生した時は「東京都」ではなく「東京府」である。
今からちょうど110年前の明治22年に"市制町村制"が敷かれ、全国に39の市が誕生。
その中のひとつに「東京府東京市」があった。

当時、東京市と呼ばれていたのは、現在の千代田区、中央区、港区あたりの狭い範囲で、そのまわりは、すべて町や村。
東京市の中には、麹町区、神田区、四谷区、京橋区、赤坂区、浅草区など15の区があり、まだ千代田区、中央区、港区といった名称は見あたらない。

昭和7年(1932)になると、東京市は隣接する5郡82町を合併して20区を新設。
これまであった15区と合わせて、35区となる。

この時できた区の中に渋谷区がある。
ハチ公が、もう少し早く生まれていたら、南豊島郡で主人を待つことになっただろう。

さらに昭和22(1947)年の3月。
35区は隣接する区同士の併合を行って22区になった。
そのわずか5ヶ月後に最も大きな区だった板橋区から練馬区が独立し、現在の23区に落ち着いた。
と、いうわけで東京23区の中で最も新しいのは練馬区ということになる。

首都、東京は都政を敷いた特別区と言われ、いわゆる政令指定都市ではない。

大都市でも大阪での住所表示は「大阪府大阪市中央区」ということになるが、ご承知の通り東京の場合は「東京都中央区」と「都」の次にいきなり「区」が来る。

東京には区民から選ばれた区議会議員が存在するが、大阪に区会議員は存在しない。
区長も市長の任命によって選出されている。

東京の区は、地方自治法による市と同等の自治権を持っている。
それが特別区の特徴で、東京23区は23の市の集合体とも言える。

もちろん東京には23区のほかにも市はある。
さて、そういう東京を今度は誰が仕切ることになるのか?
いや、仕切れる人がいるのだろうか?
シッカリ仕切ってもらわないと困るんだけど・・・私に投票権はないけどね。


参考資料:「日本地理の雑学事典」浅井健爾=著 日本実業出版社=刊

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