Episode No.708(20001202):自分の仕事・・・してますか?
普段でも、やたらと口数が多いと言われる私だが・・・仕事となると、もっと喋る。
とくに「自分の考え」をハッキリ言わない相手に対しては・・・
社内外を問わず、トコトン言及してしまう。
もちろん、クライアントに対しては強く言えないけど・・・。
先日、某大手企業の担当者が事務所に顔を出した。
彼は何度もうちに顔を出している人間で、頼んだコトは真面目にやってくれるのだが・・・
どうも真面目過ぎるのか、それとも会社の体制が良くないのか・・・
私から見ると、融通がきかないと言うか、柔軟性がないと言うか、勘が悪いと言うか・・・
彼にしてみれば「会社のシステム」の事情なので、いた仕方ないコトと思っているようだが。
大きな彼を見上げて、思わず言ってやった。
「会社のシステムが客のニーズに合っていなければ・・・
それを調整するのか、あんたの仕事だろ?
それとも、あんたは会社に言われたコトを伝えるのだけが仕事なのか?」
彼はただ背中をまるめて恐縮するばかり・・・。
確かにね、うちみたいな小さな会社と違って、大きな会社はいろいろ大変だと思うよ。
でもね・・・民間が役所の悪いトコを見習っているようじゃあ・・・ちょっとね。
「会社のシステム」をキチンと顧客に伝えるのは、もちろん義務だろう。
しかし、何度も会っている相手が、それだけでは納得しそうもないコトだって充分わかるはず。
だとしたら、せめて・・・
「会社のシステムは、こうなんですが、こちらではこういう事情もあるでしょうから
こんな方法はいかがですか?」
くらいの自分の案を示してほしい。
それが、お客の事情を知るために何度も足を運んでいる人間の仕事じゃないかなぁ。
それができなければ、今まで会ってきたコトが、まったく無駄になる。
と、いうコトで彼は宿題を持って帰ったんだけど・・・はたして、どうなるか???
昔、つき合いのあった、これもある大企業の営業マンは・・・大きな仕事を落とした。
私から見れば、その営業マンの怠慢が失敗の要因なんだけれど・・・
彼は「このご時世で」と上司に説明したようだ。
理由があれば売上が下がっても仕方ないし、それでも給料はかわらないなんて・・・
やっぱりサラリーマンはいいなぁ・・・と心底思ったモンだ。
でも・・・サラリーマンの中にだってスゴイ人は、たくさんいる。
昔、ある会社の営業の人に来てもらって、見積を依頼した。
私は、てっきり会社に持ち帰って、後で見積を送ってくるモノだと思っていたが・・・
そのベテラン営業マンは、話を聞くと、その場でスラスラと見積を書き出した。
「いちいち持って帰ってたんじゃ、私が来た意味がありませんから」
その会社とうちの取引が今でも続いているのは言うまでもない。
やっぱり仕事は・・・人だよなぁ。