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Episode No.360(991021):あなたのボスは、どんなボス?

昨日は優秀な経営者についての話をちょっとしたけど、いわゆる親分肌の人っているよね。
今日は親分肌の有名人のエピソードについて紹介しようと思う。

そもそも、どんなタイプの人が本当に親分として大勢に慕われるのか?

頼りがいがあって、面倒見がいい・・・それは当たり前の話。
しかし、いろんな事例を見てみると、目下の人間のことを忘れないでいてくれる・・・というのが、慕われる理由の一番であるようにも思える。

タレントの小松政夫と言えば"小松の親分さん"で知られるが、やっぱり子分だった時代もある。
もとはクレージーキャッツの植木 等の付き人だった。

今のビジネスライクなマネージャーという感覚と違って、当時の付き人は運転手からパシリまで何でもやらされる。
ビジネスパートーナーではなく、いわば弟子だ。

ある日、仕事を終えた植木 等を乗せて車を運転していた小松政夫は後部座席から声をかけられた。

「あしたから迎えに来なくていいよ」

一瞬ドキッとしたが、植木の話は続く。

「プロダクションに話つけといたから、明日から一本立ちしてひとりでやってみな」

それを聞いた小松政夫は、こみ上げた涙で前が見えなくなり、車を寄せて泣いたという。

普段は自分のことをまるで人間以下の扱いしかしてくれなかった人が、実は自分をチャンと見ていてくれた・・・というのは確かに嬉しいよね。

落語家の立川談志はケチで有名で、自分を訪ねて来る時に土産を持参しない弟子は無視するほどらしい。

弟子の一人、立川志の助はある日、紳士物の靴下を持って行ったが「なんだ靴下か」という感じで、すぐにほっぽり出されてガッカリ。

ところが、またある日、師匠のお供で出かけた先で、師匠が「オイ」と言って自分の足下を指さすので見てみると、あの時の靴下を履いている。
「オイ」の一言で「ありがとう」とも何とも言わないが、それでも弟子は師匠にホレ直してしまう。

目下の者・・・ことに普段は目立たない縁の下の力持ちのような仕事をしている人に対して、人一倍気をつかった人といえば、真っ先に浮かんでくるのが
田中角栄

料亭などの帰りにズラーッと並んで見送る従業員たちがいると、必ず一番下と思える人に声をかけ、時には小遣いまでやったという。

そんな角栄が、現・自由党党首、小沢一郎を可愛がった理由のひとつは意外なこと。
実は田中角栄には、真紀子の上に息子がいたが、幼い時に病気で死なせてしまったのだ。

角栄の部屋で打ち合わせを終えて退出する若き小沢一郎の背中を見て

「うちの小僧も生きていれば、ちょうどあれくらいになってただろうな・・・」

とつぶやいて涙ぐんだことがある・・・という。


参考資料いろんな本やら、テレビやら・・・

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