Episode No.1545(20030807):
執念の勝利
つい先頃・・・
20何年ぶりに、
太宰治の書いた未発表の原稿が
見つかったというニュースがあった。
早速、ノーカットで
雑誌掲載されることになったらしい。
太宰治だということで掲載されてしまうなんて
スゴイな、やっぱり。
作品の内容が、どうのこうのじゃなくて
太宰治そのものが
お金のとれるブランドになってる証拠だ。
今はどんな大御所と言われてる人にも
新人の時代は・・・当然あった。
今や松竹の取締役にもなっている
山田洋次監督が、まだ駆けだしの頃・・・
或る映画の企画を上司に提出した。
企画書を見た上司は、こう言った。
「こんな、ダンゴ屋の息子の
失恋話なんて・・・どこが面白いんだ?」
企画書の内容は・・・
もちろん『男はつらいよ』。
その後“国民的映画”と言われた寅さんの企画も
最初は、こんな風だった・・・らしい。
そこで・・・
「上司は何もわかっちゃいない」と
新人監督がヘソを曲げてしまっていたら、
日本人は、その後、腹を抱えて笑う機会を
だいぶ無くしていたに違いない。
新人・山田には別の企画もあった。
とにかく企画を通して、監督経験を積んで
そして・・・『男はつらいよ』を実現させた。
自分にやりたいことがあればあるほど、
自分を捨てる勇気をもって・・・
まずは選ばれる人間になることだ、ね。