仕事で失敗をする。
どんなに気をつけているつもりでいても風邪をひいて寝込んでしまうことがあるのと同様に、ミスというやつは不思議と周期的にやってくるものだ。
10年前に同じ失敗をした時には、もう、どうしていいかわからなくて、ただ慌てふためいていた。
しかし、今はそれほどでもない。
それほどでもない・・・という気持ちがミスを起こしたとしたら、それは大変なコトで、また更に大きなミスを起こすかもしれない。
だが、ここで言う、それほどでもないという意味は、経験上、この失敗をした時には次にどう動けばいいかを知っているから・・・なのである。
仕事上の失敗は、そのプロジェクトの進行を妨げるケガのようなもの。
傷口が広がって出血がひどくなる前に、応急処置をほどこせれば大事にいたらずに済む。
ほおっておけば、どんなに小さな傷口からもばい菌が入れかねない。
生まれてはじめて風邪をひいて熱を出した時のことなど、とても記憶にはないが、きっと初めて発熱というものを感じた時には「このまま死ぬかもしれない」と感じたんじゃないだろうか。
けれど、何べんもひいているうちに「ただの風邪」になってしまった。
暗闇が怖いのは前が見えないから。
そんなに向こうまで見えなくても、ほんの数歩先がわかっていれば、それだけで安心して踏み出すことがてできる。
同じ失敗は繰り返さない・・・に越したことはないが、万が一、同じ失敗をしてしまった時には、前回より数段早く、それを処理できるだけの能力を身につけていなければならない。
そうでなければ前回の失敗から何も学びとっていないことになる。
経験は積み上げることにこそ意味がある。
経験は大切だ・・・とは言っても、同じ経験を繰り返して、同じ結果しか出せないのは、ただ経験を羅列しているだけのこと・・・。
そんなのは、生きて時間を過ごしてさえいれば、努力なしに誰にだってできること・・・なんだ。