Episode No.1312(20021107):世界がひとつ・世界でひとつ

『10万場力も不況には勝てず・・・
 川崎の手塚ワールド、建設を断念』

以前、ロボット博か何かで
手塚ワールドの模型を見て、楽しみにしてたのになぁ・・・
実に残念なニュースだ。

もはや国内資本だけでは
日本の文化も守れないところまで来ているのか?

黒澤明は『影武者』を撮る時に
スポンサーが見つからず・・・
せめて「こんな映画を作りたかった」と
御殿場の別荘で筆をとった。

そのコンテを超えた絵画
海外でも知られるようになって・・・
結局、確かフランスの団体から
20億くらいの資金が調達できた、という話を思い出す。

かつて、本田宗一郎
「日本一になろうと思ったら
 世界一にならなければダメだ。
 そうでなければ、日本で一番でも
 輸入品が来たら、すぐに二番になってしまう」
・・・と言った。

一般消費者は
日用品を選ぶ時だって、娯楽を選ぶ時だって
わざわざ日本の製品か海外の製品かを分けては考えない。

家電や車を選ぶ時に
少しは国産の方が修理の時にいいと思うくらいで
そういうサービスだって格差はなくなってきてるのが現状。

むしろ、あいかわらず海外のブランドを気にするくらい。

映画以上に先行投資が必要なテーマパークを考えると
海外からの客を呼べるくらいでなければ
建設は難しい・・・ということもあるのだろう。

国内には、いたるところに○○銀座という場所があるけど
交通の便がよくなった今となっては
何も地元の○○銀座じゃなくても
本物の銀座に誰でも行ける。

豊かになる、ということは・・・
求められるものが少なくなることで
提供する側にとってみれば
競争が激しくなる、ということだ。

どんな競争の中でも生き残ることができるのは
世界に二つとない・・・アイデンティティなんだろう。

・・・アトムに逢いたかった、な。
やっぱり・・・自分で作るしかない、か。


参考資料:不景気ニュース