Episode No.1006(20011115):弱さを認めて楽になれるか?

今日、11月15日は坂本龍馬の誕生日にして、命日ですなぁ・・・

「世に生を得るは事を為すにあり」
・・・という言葉の遺した龍馬が、志半ばにして討たれたのは、32歳の時。

志は継承され・・・今も私たちの知るところになった大人物だが
やはり32年の人生というのはチト短いな。

逆を言えば、わずか32年の人生でも・・・
世の中を変えるほどの大物には、なれるかも知れない・・・ということだ。

凡人である私たちと歴史上の偉人たちとを比べたところで
現実的な勇気は、なかなか湧いてこないモノかも知れないが・・・

偉人と言われるかどうかは後世の問題。
たとえ坂本龍馬だって、自分の銅像が建てられたことなど知らないだろう。

つまりは、強く生きようとしたかどうか・・・問題は、そこだ。

「自分は、どうせ弱い人間だから・・・」という言葉、私は嫌いだ。
言い訳の最たるものだと思うし・・・
第一、そういうことを平気で言う人が近くにいると、まわりが迷惑する。

満州事変が勃発した頃、書かれた
『君たちはどう生きるか』という吉野源三郎の人生論に
こんな一説があるらしい。

「世間には、悪い人ではないが、弱いばかりに
 自分にも他人にも余計な不幸を招いている人が決して少なくない」

そう・・・
不幸とは、弱さが招く環境なんだ。

単純に考えてみたって・・・
親が弱ければ、子供は可哀相だし
上司が弱ければ、部下は迷惑する。

逆境になると、がぜんヤル気を出す奴がいる。
反対に、見た目は幸福であればあるほど・・・
その幸福が、いつまで続くのかと不安がってばかりいる奴もいる。

いくら頑張っても・・・なかなか強くなれないもの。
そういう思いにかられて・・・そこであきらめるのは弱さ
じゃあ、もっとやってやろうと思うのが強さだ。

ただし・・・
強いということは声や態度がデカいことじゃないし
同じ事を繰り返している鈍感さとも違う。

強い人の第一条件・・・それは現実を知っていること、だと思うな。
それが、たとえ自分にとって都合の悪い現実だとしても・・・。
知らなきゃ怖くないのは・・・当たり前だもん、ね。

殺されるかも知れない・・・
そう知りながら理想のために戦った龍馬は・・・やっぱり強かった、な。


参考資料:「心を強くする名言」童門冬二=監修 成美文庫=刊