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Episode No.073:いじめられて強くなる

「この子に食べ物をやらないでください」

そんな札を首から下げられていた子供がいた。

どう見てもカッコがいいものではないが、小さい頃から体が弱く、ちょっと食べ過ぎたくらいで、すぐに下痢をしてしまう我が子に対する母親の愛情には違いなかった。

小学校では、女の子にも泣かされてしまうほどの"いじめられっ子"。

中学に入ってからも、"いじめられっ子"だった彼は、上級生に殴られてばかりいるのに耐えきれず、合気道を習いはじめる。

この頃から少しずつ自信が出てきたのか、高校では自らボクシング部を設立。大学に入ると、正規の部員ではなかったが相撲部にも出入りした。

ここまで話を進めてくると

「これは、きっと有名なスポーツマンのコトに違いない」

と思う方も多いかもしれないが・・・ハズレ!!

黙ってそこにいるだけなのに、もの凄い存在感を感じさせる彼に対して、きっと級友や上級生たちは、ついちょっかいを出してみたくなったに違いない。

彼は、それをはねのける力を身つけて、その存在感をより確かなものにしていった。

故・松田優作に自分のネーム入りのロレックスをプレゼントした男。

そう、彼の名は高倉 健。


参考文献:「有名人 ウソのような本当の話」ユーモア人間倶楽部=編 青春出版社=刊

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