風が吹くとオケ屋が儲かる式に、自然界のつながりというのは実に微妙に絡み合っている。
かつて地球を支配した恐竜が絶滅した原因として、地球の平均気温の変化が挙げられるが、その変化は、わずか2度だったと考えられている。
わずか2度の変化ですべての恐竜がいきなり死滅したわけではないだろうが、エサがなくなったことが結果として恐竜の時代を終わらせてしまったというわけだ。
他の動物と違い、理性によって行動を制御していると思われる人間の行動も、実際のところは生活している環境によって思考の方向性は決められてしまうことが多い。
国や文化の違いによって戦争が起きることを思えば、すごく当たり前のことだ。
以前、紹介した三島由紀夫の説で「人間を分析しようと思ったら、何も心理学を持ち出さなくとも、ある程度、物理的な法則で理解することはできる」というのがあったが、今回は、その続きのような話。
よく、性格的に明るい人を"ラテン系"などと呼ぶが、それには科学的な根拠が存在する。
ラテン系に限らず、暑い国の人は概して明るい人が多い。
これには日照時間が大きく影響している。
日にあたる時間が短くなると、神経ホルモンに含まれているメラトニンという物質が増加し、ノルアドレナリンが減少する。
メラトニンは気分を制御する働きを持ち、反対にノルアドレナリンは精神活動を活発にする働きを持っている。
つまり、日にあたらないことが多いだけで、人間は落ち込みやすくなるというわけだ。
現に精神科では、鬱病患者に対して毎日一定時間光をあてるという治療法もあり、たいていの人はそれだけで症状が軽くなるという。
日にあたれば紫外線も気になる現代において、本来、自然がもつ力を活かすことは容易ではない。
それだけに気分がどうのことのと言う前に、自然の法則を意識して学んでおくことも必要だ。
そんなに単純なモンじゃない・・・と思っているアナタだって、喉が乾けば水がほしくなるし、腹が減ったら何か食べたくなる・・・でしょ?