Episode No.347(991006):コワイのは原発だけじゃない
毒物劇物取扱者・・・という資格があるのをご存知?
薬品の中には、人体に悪影響を及ぼすモノが多く、あぶないモノは毒物や劇物に指定されていて取り扱いにも注意が必要。
ちなみに劇物より毒物の方が危険度は上だ。
とはいえ、こうした薬品を実験などで自らが使用するためには、特別な資格もなく、購入することはできる。
中には住民票などを提示しないと売ってくれないモノもあるけれど。
但し、こうした毒物劇物が規定以上に含まれている薬品類を販売目的で貯蔵する場合には、その会社に毒物劇物取扱者の資格を持った人間がいなければならない。
不動産屋に宅建取得者、古本屋に古物商の資格が必要なのと同じようにね。
実は、私はこの毒物劇物取扱者の資格を持っている。
化学系の大学を出て、一定の単位を取得している者であれば、大学の卒業証書がその代わりをはたしてくれるが、まったくの文系である私は数年前に猛勉強をして資格をとった。
すでに忘れている内容がほとんどだが、例えはナトリウムは水をかけると燃えるので、貯蔵する際には消防署への届け出が必要だとか・・・そんな法令に関するモノや、元素記号など化学の基礎知識に関するモノ・・・また、劇物に誤って触れた際の応急処置などの問題があった。
先般、仕事上この資格が必要となって、役所へ取扱者としての届け出をすることになった。
すると健康診断書も合わせて提出する必要があるという。
診断書のフォーマットに書かれている内容はこうだ。
「上記の者は、精神病者又は麻薬、大麻、あへん若しくは覚せい剤の中毒者、口がきけない者、耳が聞こえない者、目が見えない者又は色盲ではない。上記のとおり診断する」
確かに気のふれた人が管理していたのでは危ないし、薬品を見分けるにも色がわからなければならない。
仕方ないので、最寄りの保健所で診断を受けることにした。
場所にもよるだろうが、保健所では毎週、健康診断を実施している。
おもに就職や進学の際に診断書の提出を求めるところ用に行っているようだ。
麻薬の検査っていったいどうやるんだろう?
保健所を訪れた私の興味は、その1点にあった。
さんざん待たされたあげく、女医さんが言ったのは「両腕を見せてください」・・・このひと言。
診察は、わずか1分で終了した。
さすがに「これだけですか?」と尋ねてみたが「う〜ん、確かにもっと何とかしないと問題はあると思うんですけど・・・」と言うだけ。
何より驚いたのは、診察を受けている者が間違いなく、診断書に明記されている者、本人であるかどうかをまったく確認しなかったコトだ。
免許証くらい確認するかと思ったが・・・。
これじゃあ、替え玉が診察に来ていたとしても、まったくわからないコトになる。
そういうワケで、毒物劇物を取り扱っている者が間違いなく正常・・・という確証はない。
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