Episode No.823(20010416):理解を超えられるか?
今日、4月16日は私の大好きなチャップリンの誕生日。
1889年のこの日、チャップリンはロンドンで生まれた。
チャップリンについては、ここでも何度も書いたし・・・
ビデオはもちろん、本もたくさん出ているから知ってる人は大勢いると思う。
貧しい役者の子に生まれ・・・
腹違いの兄と精神を病んだ母の3人暮らし。
わずか5歳で舞台に上がり・・・
劇団の一員としてアメリカに渡って、創世記の映画と出逢う。
記録映画『放浪紳士チャーリー』の冒頭で老いたチャップリンがニッコリささやく。
「・・・いろいろありました」
でも、このセリフ、翻訳者によっては
「地獄のような人生でした」
ともなっている。
どちらにしても・・・深い。
『ライムライト』の中の有名なセリフ。
「人生に大切なのは、勇気と行動力・・・そしてお金が少し」
どんなに美しい場面でも現実を忘れないのがチャップリンの強さだと思う。
伝記映画『チャーリー』も主演のロバート・ダウニーJr.の好演もあって、よくできてたと思う。
チャップリンの生涯を描くには、ちょっと短すぎる・・・という淀川さんの意見もあったけど。
私が、この映画で「うまいな」と関心されられたのは、演技だけではない。
相手役のキャンステイングが巧妙だ。
チャップリンの母親役をチャップリンの実の娘、ジュラルディンが演じてるのをはじめ・・・
劇中、チャップリンが初恋する相手と・・・
紆余曲折がありながら、最後にいっしょになる相手を同じ女優が演じているのも・・・
なるほど〜、って感じで。
三つ子の魂じゃないけど・・・そういうのって、あるよね。
娘が結局、父親に似た人と結婚しちゃったり、ね。
最も自分の理解を超えた人と出逢って結婚できたら・・・
人生には、もっと広がりが生まれるだろう。
わかるモノを選べばリスクは少ない。
わからないモノを選ぶのはリスクは大きいけど・・・得るモノも大きい、というところか。
好みや流行りは、いろいろあるけど・・・
何を理解できるのかは、その人が生まれ育った環境に左右される場合が少なくない。
そういう意味でもチャップリンほど、貧乏を理解した人もいなかっただろう、ね。
その理解を超えて笑いを作り出したパワーは・・・やっぱりスゴイ!