Episode No.318(990902)：これから結婚する人たちへ
「ともかく結婚せよ。
もし君が良い妻をうるならば、君は非常に幸福になるだろう。
もし君が悪い妻をもつならば、哲学者となるだろう」
・・・というのは、ソクラテスの言葉。
確かに、結婚だけが恋愛のカタチでもなければ、ゴールでもないとは思うが、子供時代、独身時代に続く、次の人生のステージであることに間違いはない。
子供時代は、自分のコトだけ考えている。
学生時代までが、そうだ。
やがて社会に出て、いわゆる独身時代になると、社会の中で自分がどう生きていくのかを考える。
そして、結婚すると、家庭のコト、結婚相手の親のコトまで考えるようになる。
そりゃあ子供時代にだって、相手のコトを思いやる気持ちは必要だが、結婚をすると、それはもう相手のコトを考えるという以上に、相手の生活や人生そのものを左右する立場になってしまうのだから、責任の重みは段違い。
しかし、年相応の責任を負わないところに、年相応の幸せは来ない。
大人になる・・・とは、そういうコトだと思う。
ところで、ようやく2人の仲で結婚という目標が定まると、実際に結婚生活をはじめるまでに、さまざまな手続きが必要になってくる。
お互いの親族を巻き込んだ、この一連の手続きは実に厄介なモノだが、こいつをクリアしないと、みんなに祝福される結婚生活というモノがスタートできない。
日本における平均初婚年齢は、男が28歳、女が26歳。
高学歴時代に入って、この年齢は次第に高くなる傾向にある。
当然、恋愛期間も長くなる。
実はウチの場合にも結婚までに、およそ10年の「つきあい」があった。
結婚年齢が上がると、かなりの数の友人の結婚式にも出席することになるので、式に対する目も肥えてくる。
と、同時にそれにまつわる、さまざまな苦労話も耳にする機会が多い。
そこで、最近ブームとなっているのが「海外挙式」。
国内で挙式をすると、大勢呼ばなければならないし、しがらみに悩むのもイヤ。
だけど、思い出に残る結婚式をしたい・・・というワケで。
或る調査によると、1997年に海外で挙式を挙げたカップルは約4万5,000組で、全国で結婚した人たちの約5.8%にあたる。
海外挙式のメリットは費用の安さ・・・ということもある。
費用は平均108万円で、国内に挙げる場合のおよそ3分の1で済むらしい。
但し、実際のところ、しがらみを避けて「愛の逃避行」をするのが本当にいいコトなのがどうかは・・・やや疑問のような気もする。
結婚式や披露宴って花嫁や花嫁の両親のためにやってるようなところがあるけれど、披露宴っていうのは、もともと「2人は結婚しましたので、どうぞよろしくお願いします」っていうことをまわりのみんなに言うためにやるモンでしょ?!
もともと日本では神社で挙式が当たり前だった。
これがホテルで挙式にとって変わったのは、
関東大震災で古い神社が軒並み倒壊したがきっかけになったという。
ちなみにウチの場合には、二次会をやるのが面倒だったので、大きな会場を借りきって思い当たる人たちをすべて披露宴に呼んで、ドンチャン騒ぎをした。
呼ばれた方にしてみれば、会費制のパーティと違い、一応披露宴だったので、それなりの祝儀を包む負担もあったかもしれないが、フタを開けてみれば、それなりに楽しめた・・・とは思う。
そういえば、北海道では、披露宴自体を会費制で行うのが通例・・・という話を聞いたコトあるな。
私の場合、とにかく飲まされたのが一番の思い出。
途中で何度か会場を抜け出して、新郎新婦の記念撮影があったのだが、時間を追うごとに目が座ってきているのが証拠として残ってる。
まぁ、あくまでも結婚式なんて一日限りのコト。
そこからがスタートなワケで、そこがすべてのゴールになるような無駄な苦労はしない方がいい・・・と思う。
結婚式にこだわるのではなく、結婚生活にこだわる・・・べきだろう。
ヘタなこだわりは、相手や相手の親族への押しつけになっちゃうから、ね。
いざ結婚式に向けて、いろいろと調整していく中で、結構、2人の仲や親族の中で争いが起きる・・・なんてコトもあるから、注意が必要だ。
「愛人たちの間の争いにおいて、
自分の方が余計に間違っていたのだと、常に認めようとするのは、
一番強く愛している方の側である」
とは、スコットの言葉。
双方の親族のコトまで考慮して調整していかなければならない結婚式の準備は、2人で力を合わせて、最初にクリアしなければならない試練・・・と言えるだろう。
