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Episode No.777(20010221):財産を食いつぶさないために

「賢人の仕事は・・・
 いかに死ぬかというより、いかに生きるかということにある」

という言葉を残してオランダの哲学者スピノサが亡くなったのは・・・
今から324年前の今日、1677年2月21日のコト。
倫理学の父は、わずか45歳という若さだった。

考えようによっては・・・
確かに「いかに死ぬか」を考えるコトは簡単だ。
だって「その先」を考える必要がないんだからね。

やっぱり「いかに生きるか」・・・これは難しいしうえ、避けようがない課題。

真剣に生きよう! 頑張って生きよう!
・・・と、口にするのは簡単だけど、問題はヤル気の「持続性」だな、やっぱり。

よほどのひねくれ者でない限り・・・
誰でもが、あるサイクルで「一生懸命、頑張ろう」と心に誓う。

仮に、よほどのひねくれ者であっても・・・
自分のやったコトの何かが認められたら、思わず
「これからも頑張ります!」って言ってしまうだろう。

私のよく知る「素直な」男は、いつも「悪気」は決して持っていない。

「悪気」は持っていないから、人に何かを頼まれれば
すぐに「じゃあ自分がやってあげるよ」とニコやかに言う。

でも、そんなコトばかり方々で言っているから・・・用事は増える一方。
しかも、自分にだってやりたいコト、やらなきゃならないコトはたくさんあるから・・・
結局、引き受けたコトは、いつもできない。

「悪気」があろうが、なかろうが・・・そういうヤツは頼りにならない。
自分の処理能力もわからないようやヤツに・・・
少なくとも仕事は頼めない。

ヤル気はもちろん必要だけど、仕事となると重要なのは
「ヤル気があるか、ないか」じゃなくて「本当にできるのか、できないのか」。

そいつの気持ちがどうであれ・・・
目に見える行動だけをとらえて言えば、できなきゃ単なる「嘘つき」だ。

それを許して付き合ってくれるのは・・・せいぜい身内くらいのもの。
あるいは「自分もそうだから」人には意見できないような・・・
付き合っていても、お互いに成長のできない狭い範囲の仲間だけ。

自分で自分のケツをひっぱたけるようになって、ようやく一人前

「自分のベストを尽くす人は、自ずとリーダーになっていく」

とは、大リーガー、ジョー・ディマジオの言葉。
そう、モンローの元ダンナ。

組織リーダーになりたい人ばっかりじゃないだろうけど・・・
会社じゃ上司に頭の上がらないお父さんだって・・・うちに帰ればリッパな「家長」。

自分の人生のリーダーは、自分しかいないんだから
自分として生きのびるためには・・・
ヤル気を維持する工夫をして・・・信頼という財産を食いつぶさないコトだ、ね。


参考資料:「今日は何の日」PHP研究所=刊
     「20世紀を感動させた言葉」ペギー・アンダーソン=編 ディスカヴァー21=訳/刊