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Episode No.544(20000525):私が守りたい文化

「日本人ハ、ドーシテ皆、漫画バカリ読ミマスカ? 電車ノ中デマデ」

「それは、あなたの国に
手塚治虫がいなかったからですよ」

外国人相手の有名な会話だ。
アメリカにだってアニメーションの神様
ウォルト・ディズニーはいるけれど・・・。
ディズニーは決して
漫画家だったワケではない

私の親の世代が『たけくらべ』や『あすなろ物語』を読んで育ったのと同じように・・・。
私は『
鉄腕アトム』や『あしたのジョー』を読んで育った。
私の心の中にある人生訓のいくつかは、間違いなく漫画から教わって染みついたモノだ。

そして、大人となった今でさえ『陽だまりの樹』や『
女医レイカ』など・・・。
さまざまな漫画に教わるコトは多い。
このページで披露している偉人伝にしても、元ネタは漫画版偉人伝であるコトさえ少なくない。

コミックストーリー作家の
剣名 舞先生とお知り合いになれたから言うワケではないけれど・・・。
私は、まだまだこれからの漫画の可能性というモノに、ものすごい期待を感じている。

本当は漫画と同じく映画もすごく好きで・・・しかも日本映画。
ATG映画を観まくった時期もあるし、
寅さんに深い感銘も受けている。

しかし、残念ながら日本の映画界の状況は決して思わしくない。
シナリオライターの
福田卓郎さんも頑張っていらっしゃるけれど・・・。
内容的にはいいモノがたくさんあっても、商売としては正直難しくなっていると思う。

多額の予算がかかる大きなプロジェクトである以上、失敗はできない。
失敗を恐れると、どうしても消極的になってしまう。
しかも日本語で作る以上、マーケットも限られてしまう・・・。

規格はいろいろあるとしてもパソコン業界が儲かるのは世界を相手に売れるからだろう。
アニメーションもそうかも知れない。

間もなく菅野美穂主演の『守ってあげたい』という映画が公開される。
日本映画好きな私としては、どんな映画なんだろうと思って特集本を買ったら・・・。
何と自衛隊の全面協力による女性自衛官の話。
初めて「守ってあげる」と言ってくれた彼に裏切られた主人公が自衛隊に入隊。
そこでの、ざざまな体験を通じながら人間的に成長していく物語。

で、よく見るとコレも原作は漫画だった。

最近はテレビドラマでも映画でも漫画を原作としたモノが多い。
新しい漫画については、あまりよく知らない私など・・・。
今回のように後で原作が漫画であるコトを知るケースがよくある。

映像に比べて比較的、制作コストがかからない漫画なら・・・。
思いきった新しいジャンルも切り開くことができる。
しかも活字離れしている層まで取り込めてマーケットも広い。

とりあえず趣味の世界で自己表現ができればいいと思ったら、メディアは何でもいいけれど・・・。
商売としても成り立たせながら続けていきたいと思ったら・・・やっぱり漫画だな。

もう、これは世界に誇れるリッパな日本の文化でしょ?!


参考資料:「守ってあげたい 陸上自衛隊ヴィジュアルブック」竹書房=刊 ほか

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