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今からおよそ100年の昔。正確には97年前、1901年のこと。

イギリスからカナダ、そしてアメリカへと移住してきた大工の夫婦がいた。夫の名はイライアス。妻の名はフローラ。
ふたりは3人と子供たちといっしょに、妻が設計し、夫が自らの腕で建てた貧しいながらも住み心地の良い、こじんまりとした家に住んでいた。

イライアスが信仰のため、町に新しい教会を建築したことをきっかけに、一家はそこの牧師夫婦と親密な交際をしていた。
フローラは新築の教会でオルガン奏者となった。

その年、イライアス夫妻と牧師夫妻は偶然にも同時に身ごもっていた。
そこでイライアスは牧師夫婦に次のような提案をした。
「私の赤ん坊が男だったら、牧師さん、あなたの名前をつける。あなたの赤ん坊が男だったら私の名前をつける、というのはどうでしょう?」
牧師も親友の提案を快く受け入れた。

冬が来て2組の夫婦には、それぞれ元気な男の子が誕生した。
約束通り、イライアスは牧師ウォルター・パーの名を4番目の子供につけた。

命名-ウォルター・イライアス・ディズニー。

彼は、何万人の牧師がいても伝えることができない
"楽しい"説教を世界中の子供たちに聞かせることになる。


参考文献:「ウォルト・ディズニー〜創造と冒険の生涯」ボブ・トマス著 玉置悦子/能登路雅子訳 講談社刊

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