Episode No.371(991103):文化は創るモノ 10年前・・・惜しくもこの世を去った漫画の神様、手塚治虫は、文化の日に生まれた。 最も11月3日が、文化の日と呼ばれるようになったのは1948年からのコトで、手塚が生まれたのは、それより22年前・・・。 つまり、文化の日が国民の祝日に制定された時、すでに手塚は"漫画の神様"と呼ばれるようになっていた。 だがその当時・・・"漫画も文化"だと思うオトナは、まずいなかったに違いない。 思えば、ドタバタ時代のチャップリンの映画にしても、手塚治虫の漫画にしても・・・。 そして、ビル・ゲイツやAppleのスティーヴ・ジョブスにしても・・・。 世の中の新しい流れは、決して大勢のオトナたちの手によって作っているワケではない。 子供心を持った、ごく一部のオトナが、まるでハメルーンの笛吹きのように子供を先導し、あわてたオトナたちが、それを追いかける。 さまざまな分野で、その繰り返しが行われているような気がしてならないね。 ・・・この場合、主体性を持たないのは、いつも大勢のオトナたちだ。 規制の価値観に合わせるコトばかりに神経をすり減らし、気がつけばいつの間にか"その他大勢"。 数だけが戦いの頼りになっている。 だが、実際には世の中の仕組みというモノは、つねに新しく塗り替えられている。 サンフランシスコだったか、ロスアンゼルスだったか・・・大きな橋があるでしょ? 行ったコトはないけど・・・、よくウルトラクイズなんかに出てくるヤツ。 今はどうか知らないけれど、昔、テレビであの橋のペンキを塗ってるオジさんの話をやってた。 ひとりでコツコツと毎日ペンキを塗り直してる。 端から端まで塗るのに1年がかり・・・。 塗り終わると、また反対側から塗り直す・・・その繰り返し。 一見、空しい作業のようにも思えないコトはないけれど、おかげであの橋はいつもキレイだ。 塗りつぶされるのがイヤならば、塗る側にまわるしかない。 塗るのも塗られるのもイヤなんてのは自然の法則に逆らってると思うな。 ほっとけば錆びてしまうもの・・・。 もしも、世の中の価値観とは一致していないモノを持っていたとしたら・・・。 それは、単なる勉強不足か・・・。 それとも、世の中の流れを変えるような大きな武器を手にしている・・・と思っていいんじゃない?! 武器も使わないと錆びるけどね、やっぱり。
参考資料:「今日は何の日」PHP研究所=刊 ほか
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