Episode No.3896(20110217)
温室のもやしは幸せか?
The person who can live at the inconvenient place is strong.
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けっこう積もったと思ったも、
あっという間に溶けてしまった。

雪の人も、早々に何処かへ帰ってしまったようだ。

四季に恵まれた日本の中でも、
関東地方というのは、
つくづく恵まれた気候にあるとあらためて思う。

昔、新婚旅行でエジプトに行ったことがあったが…。
現地の人たちが昼寝ばかりして働かないと聞いて、
そんなことだから国が豊かにならないんじゃないか
…などと日本人的感覚で咄嗟に思った。

が、いざ行ってみると
40度を超える暑さの中で働けるはずがない。
外で動いてたら確実に倒れちゃうよ。

雪の処理に追われる雪国の人たちも大変だし、
火山の近くに住んでいたら、これまた大変。

必要に応じて住む場所は変えることができても、
生まれ故郷を変えるわけにはいかないものな。

そう考えてみると、
生まれによって運命が分かれてしまうようだけど…
例えば雪国の人にとって
雪は大変なだけのものかといえば
決してそれだけではないと思う。

雪国育ちでスキーが上手い人は
たくさんいるだろうし、海育ちなら泳ぎが得意だし。

自然が厳しい場所で育てば、
自然に対応するノウハウが、
それこそ自然に身につくわけだけど…
コンクリートで塗り固められた都会育ちは、
わずか1〜2cmの積雪で麻痺してしまうほど
…やっぱりヤワだ。

それにもうひとつ大事なことがある。

大自然に囲まれた場所に
独りぼっちで立ってみると…
そこでは自分も、
草の上を跳ねる虫も、まるで同じ扱い。

特別なノウハウを得るばかりじゃなく、
そういう、当たり前の、
地球の生物としての立場を思い起こすためには、
自然と向き合って大変な思いをすることが
…必須なのかもしれないな。

確かに都会は便利だし、
人間の力には驚くけれど…
凄いのは誰かの力であって、
自分の力じゃないから、ね。

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