Episode No.3759(20100910):
思い出話シリーズ
05 恋愛よりも男の友情? 親元から離れたくて地方(といっても関東圏)の大学に進学してからも、ずっと自主映画製作ばかりしていた。 色気のない男子寮にいる時には高校時代のクラスメイトで私の映画にも出演してくれたS子と文通みたいなことをして、時々、地元に戻ると喫茶店でよく話したりもしてた。だけど残念なことにドキドキするような展開にはならなかったな。こっちで勝手にドキドキすることはあったげ、ね。 そういえば2年ほど前、クラス会じゃないけど高校時代の連中が集まる会があるというんで出かけて行ったことがある。 そこに、かつてはリーゼントにチョーランという『ビー・バップ・ハイスクール』みたいな格好をしてたOが来てた。私はアロハか何か着てチンピラみたいな格好をしていたが、Oはシャキッとしたいいスーツを着ていて立派なサラリーマンになっていた。 このOと私は実は因縁の付き合い。 同じクラスだったこともあるので、もちろんお互いは知っているが、タイプが違うので連んでたグルーブも違う。 理由は当時Oが付き合ってた彼女に私がちょくちょく連絡を入れてたから。でも、ほら、私は今と同じで「いい奴」だから(笑)、彼女も邪慳(じゃけん)にはしないわけ。で、自然に2人で会ったりもする。Oにしてみりゃ、横恋慕されてる感じだったんだろうな。 それも相手は1人だけじゃなく、覚えてるだけで2人。私が文通してたS子もそうだったし、殴られそうになった時のOの彼女はクラスメイトのM幸だった。図体は大きいけど赤ん坊のような感じの女子(笑)。Oとは、よくよく趣味が似通っていたんだな。 そんなOとの再会。 気がつくと2人で酒を酌み交わし、一緒にカラオケを歌ってた。ようするに価値観が似てるわけで、いざ男同士になってみると非常に気が合っちゃうもんだ。 こういう経験はほかにもあるな。 私が初めて本格的に付き合ったN実が、その後、結構長い間付き合っていたT山とも高校を卒業する頃から意気投合して、今でも付き合いはあるし、ついこの間も会ったばかり。 同じ価値観を持つ男同士ってのは、占めたいポジションが近すぎるから最初は牽制し合うもんだけど、お互いそのことに気づくと急激にわかり合える仲になれたりもする。 でも不思議なことに、その間にいたはずの問題の女の子たちは、とっくにどこかにいなくなってしまい、ほとんど行方知らず。残っているのは男同士の友情だけだ。 ちなみにバツイチだと言っていたOは、その2年前の飲み会に参加していた同級生の女子と再婚した。 その同級生女子も、この時の飲み会までは何だかんだと理由をつけて地元でよく一緒に呑み、カラオケに行って私がサザンを歌う度に大泣きしていた奴。呑みに誘ってもまったく来なくなったので、どうしたのかと思っていたらOと再婚してたとは、ね。 M幸とは今年30年ぶりくらいで再会して、この間も呑んだばかり。 中3、高1年と同じクラスで、高1の時は一緒に授業をサボって『小さな恋のメロディ』のリバイバルを見に行ったのに、そんなことはすっかり忘れられていた。 M幸が覚えていたのは、自分がフラれたバスケ部だったF田のことだけだと言う。 そういう意味では私など相当な財産家だろう。 最もこうしていろいろ思いだしてみると、意外と決定的にフラれているケースは少ないような感じもする。しかし一刀両断ではなく真綿で首を絞められたような経験は…やっぱり多いな。 このシリーズのバックナンバー このほかの思い出話シリーズ ■30年目の夏─「白い蹉跌」のこと ■実録トラブル体験談〜巨大組織との仁義なき戦い Copyright 1998-2010 digitake.com. All Rights Reserved. |