Episode No.975(20011010):今日の証

つまるところ人間の幸福なんてのは・・・
苦労してもいい、と思える場所で苦労できるかどうか、だな。

苦労したくないところで苦労するのは・・・ものすごくツライ。

しかし・・・
苦労しないで済む・・・という選択はないんだな。

どんなに好きなことをやってたって・・・
自分の時間=命を削っていることにかわりはないから
完全な快楽なんてモノは、この世に存在するわけがない。

幻想を追い求めるのは快楽であり、苦痛でもある。
しかも・・・幻想は何も生み出さない。

何かを生み出してさえいれば・・・
自分の住んでる世界が少しは変わって、
また次の何かが見えてくる。

生み出せなければ昨日といっしょ・・・
いや、昨日より一日年をとった分、
昨日ほどアクティブにはなれないのが常。

そうして・・・人は年をとり
終いには、とりあえず「生きた」ことを勲章にしようとする。

「物事の無常について仰々しくしゃべり立て
 現世の空しさにの考察にふける人々を私はあわれむ。
 われわれは・・・
 無常なものを無常をなくするためにこそ存在しているのだ。
 それは、両者を尊重することを知って初めて可能である」・・・ゲーテ

明日から頑張ろう・・・なんてのは、今日を尊重していない証拠だな。
さらに・・・ゲーテ。

「知恵の最後の結論はこうだ。
 およそ生活でも自由でも
 日々にこれを勝ち得て初めて
 これを享有する資格がある」

毎日少しずつ勝っていく人間が、大きな成功をおさめるんだ。
まずもって・・・
不幸に突然襲われることはあっても
いきなり成功するような・・・幸福が降ってくることはない。

今日勝つとは何だ?
それは・・・
自分がやろうと決めていたことを少しでも前に進めることだ。

さて・・・もうちょっと頑張ってから寝よう。


参考資料:「ゲーテ格言集」高橋健二=編訳 新潮文庫=刊