Episode No.929(20010817):急いで頑張れ

「作業のスピードが大切だね。
 どんどん進めて、できる限り早く全体像を見えるようにするんだ。
 なかなか先が見えないようなやり方をしていると
 気分は滅入るし、結果的にいいものにならない。
 だから、1日にここまでやるという目標をまず自分に課すんだ」

先日、教育テレビでスピルバーグのインタビュー番組を二夜連続でやっていた。
題して「スピルバーグ自らを語る」・・・見た?

生い立ちから撮影所に入るまで・・・
そして、代表作の一作一作について
映像の仕事をめざす若者たちを目の前に本人が語るスペシャル番組だった。

インタビュアーの盛り上げ方もよかったけれど・・・
やっぱり印象に残るのは「考える人」スピルバーグの一言一言だ。

興行的にも大成功を納めているスピルバーグの作品が
芸術か否かについては賛否の分かれるところかも知れないが・・・
少なくとも、スピルバーグの作品を見て心を動かされた人は星の数ほどいるだろう。

芸術と言うとジックリと時間をかけて・・・
しかも作っている内容は出来上がるまで本人しかわからないというイメージが強い。

けれど、スピルバーグはハッキリと言い切った。

「芸術を高めたければスピードをアップすることだ」

考えすぎて足踏みするなんて、もってのほか・・・というワケだ。

無論、メディアの特性というとこもあるだろう。
大がかりな映像メディアは決して、ひとりで作り上げることはできない。
だから、リーダーたる監督は何百人もの人間を勢いよく引っ張って行く必要がある。

でも・・・少人数、あるいは、たった一人で作るアマチュアの場合はどうか?

本気を持続するプロ根性が備わるまでの間は・・・
やっぱり自分に勢いをつけて、イッキに仕上げていかないと、なかなか作品は完成できない。

つまり、どんな場合にも必要なのは・・・スピードなんだな。

構想何年・・・なんていう話もよく聞くけど
優れたカタチになったものは、何度も何度も手直しすることに時間が費やされている。
決して中途半端なまま、何年もほったらかしにされていたワケではないだろう。

ひと通りのカタチができていなけば・・・手直しすらできない。

まず、仕上げてみる・・・そこがスタート。
自分が考えてることを本気で人に伝えたいんなら、ね。

さて、私も気合いを入れ直さないと・・・!


参考資料:「スピルバーグ自らを語る」NHK教育テレビ