自宅に8ミリカメラなるものがお目見えしたのは、彼が12、3歳の頃。彼は、その新しい"おもちゃ"にいっぺんで夢中になった。
映画館で観た列車の衝突シーンを自分でも、この8ミリカメラで撮ってみたいと思った彼は、大切にしていた鉄道模型を何度もぶつけてはカメラをのぞき込んでいた。
それを知った彼の父は、
「せっかく買ってやった鉄道模型をぶつけて壊そうなんて、とんでもない! もし、またそんなことをしたら鉄道模型も8ミリカメラも取り上げてしまうぞ」と、彼を叱った。
そこで彼は試行錯誤の末、名案を思いついた。
それは、走ってくる鉄道模型と衝突する車や人形を別々のカットで撮影し、編集によってあたかもぶつかったように見せかけたのである。
それから、およそ10年後。彼は本物のメガホンを握るようになっていた。
その迫力に満ちた演出が評論家たちをもうならせたテレビ映画「激突!」。
さらに27歳の若さで監督した「JAWS」で世界中から、その名を知られるようになる。
スティーヴン・スピルバーグは1947年12月18日、アメリカ・オハイオ州生まれ。
今年、51歳になる彼のヒット作をあなたは、これまで何本ごらんになりましたか? |