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Episode No.229(990521):考えない人・・・??

良く言えば「芸術家」。
しかし、悪く言えば「精神的にイビツな人」・・・がいる。

世間の評価を分けるのは、その人が後世に残る仕事を成し得たかどうか・・・ということだ。

「考える人」で知られるフランスの彫刻家、ロダンも芸術家にありがちなわがままな性格を持っていた。
とくに妻に対して・・・。

ロダンの妻は、名をローズという。
ロダンは20代の半ばから、このローズと暮らしを共にしていた。

事実上、夫婦であったにもかかわらず、ロダンはローズと正式に結婚しようとはしなかった。
戸籍制度にしばられない考え方を持ったカップル・・・というわけではなく、19世紀のフランスではローズのように農民出身の女性を妻にするのは体裁が悪いと考えられていたのが真相らしい。

ちなみに
高村光太郎と智恵子は、戸籍にこだわることを嫌って、いっしょに暮らしはじめてからも籍を入れなかった。
光太郎が智恵子の籍を入れて、法律上の夫婦となる必要があったのは、智恵子が正気を失ったためである。

ロダンにとってローズは、何だったのか?

長きにわたって、ローズはロダンにとって身の回りの世話をやいてくれるお手伝いさんだったかもしれない。
その証拠に、中年となったロダンは、美人で才能のある弟子のカミーユ・クローデールを愛人とした。

ローズにとっては絶望的な出来事だったに違いないが、最終的に愛人カミーユはロダンに捨てられ、精神に異常をきたすことになる。

1917年、死の床についたローズは、正式にロダンと結婚する。
ロダン76歳、ローズ73歳。
ローズが法律上、ロダンの妻であった期間は、わずか15日間だった。

男性諸君、勘違いしてはいけませんよ。
女性にこんな仕打ちをしてまで相手を惹きつけられる魅力が・・・おありかな?
100年前ならいざ知らず、現代は女性の方が経済力があるからなぁ。


参考資料:「あの人物は"その後"どうなった?」歴史の謎を探る会=編 河出書房新社=刊
     「21世紀こども人物館」小学館=刊 ほか

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