Episode No.901(20010716):知らない、で済めばいいけど
今年の夏は暑くなりそうだね。
なんせ、梅雨を押しのけてやって来た夏だからね。
この猛暑で、なかなか熟睡もできないし・・・
すっかり調子が狂ってしまい、早くも夏バテ状態という人も少なくないのでは?!
まぁ、相手は自然だから・・・時にはそれも仕方ない。
さて・・・
今から56年前の1945年7月16日。
アメリカ、ニューメキシコの砂漠が燃えた。
世界初の核実験が行われたのだ。
核使用の是非には、さまざまな意見があると思うけど・・・
少なくとも核によって人類だけでなく、地球環境が狂わされた事実は否定できない。
最もそんなことを言ったら、どんな便利な道具や薬にも
数多くの犠牲はあるんだろうけど・・・。
ただ、核の問題というのは、とてつもなく大きすぎて・・・
漠然とした怖さはあるが、正直言ってピンと来ないところもある。
国が抱える借金の話も、実はそうなんだけどね。
ピンと来ないまでも・・・
修学旅行では広島、長崎にも行ったし
核戦争の悲惨さを知識としては知っている。
そういえば、本家ディズニーランドには潜水艦があるのに
東京ディズーランドに、あいかわらず潜水艦がないのは
潜水艦=原子力=核を連想させるので、わざと作らなかったという話も読んだことがあるな。
三島由紀夫がインタビューの中で
確か、谷崎潤一郎が書いたものの感想として、こんな話をしてた。
「残酷さを知るためには、ひとつの死体があれば充分だ。
数が多くなると、それを数えはじめる。
処理する方法は、数えるしかなくなってしまうのだ」
数えはじめると・・・死体も単なるモノになってしまう。
それは、怖い心理だ。
個人で抱えるには、あまりにも大きな問題は
見える部分も少なく、全体像がつかみづらい。
それだけに、ついイメージだけで処理してしまいがち。
だけど・・・見える部分だけでもジックリ見据えることができれば
問題の意味はわかるのかもしれない。
知ろうという意識さえあれば、ね。