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Episode No.104:感動をつくる人

ラジオで東京ディズニーランドのコマーシャルを聞いた。

「クリスマスのイベントをしていますから皆さん来てください」というのではなく、「大変混雑が予想されますので車でのお越しはご遠慮ください」、さらに「一時的に当日券の発売を中止することがございますので、ご了承ください」という内容だった。

まったく、このご時勢に大変なモンだ。
そういえば、この間行ったHMVも店が拡張していて、昔はラーメン屋かなんかがあった場所までHMVになっていたな。
昨日見たニュースでは軽自動車の売り上げが伸びていて、ホンダなどは自前の工場だけでは供給が追いつかなくなっているという。ちなみに今年50周年を迎えたホンダでは、史上最高の売り上げを達成したらしい。

正直言って"不況"なんて言葉は努力不足の営業マンの"言い訳"にしか思えない。
確かにメーカーの営業マンにしてみれば「いい製品がないから売れない。ホンダの製品はいいから売れてるんだ」と言うかもしれないが、製品が勝手に売れていくのなら営業なんて必要ない。

どんな時代でも人は何か欲しくてたまらないという気持ちを持っている。
逆を言えば、人が欲しがるものさえ作れば絶対に売れる。

何もこれば物質的なことだけじゃない、結論から言えば人はつねに"感動"が欲しいんだと思う。
誰もがみんな"幸福"になりたいんだ。

車を買って便利になるのも感動なら、ミッキーマウスと握手をするのも感動だ。
今、東京ディズニーランドの中でも人気のあるミッキーの家には、入るのに1時間以上も待つが、最後の部屋でミッキーに迎えられて、いっしょに写真を撮れると誰もが満足してしまう。1時間以上も待ったなんてことは、最後の1分で忘れてしまうのだ。

ところでディズニーランドには1台も自動販売機がない。
品物は人から人へ「ありがとう」のひと言を添えて手渡しするものだという理念があるからだ。

理念は決して他から教わるものではない。自分で一生懸命考えて考えた末につかむもの。
だから「他がこの程度だから自分のことろもこの程度でいい」なんて思っていたら絶対につかむことはできない。

"感動"を演出する・・・それが、あなた方のお仕事ですよ。営業マンの皆さん。


参考資料:「ディズニーランドの経済学」栗田房穂・高成田享=著 朝日文庫=刊 ほか

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