Episode No.830(20010424):私の文武両道

「光あるところに陰がある‥‥」は、サスケのオープニング。
え? 知らない? 知ってる人は限りなく40代に近い人か、それ以上・・・か。

ゲーテも・・・
「強い陽の差すところには、濃い陰ができる」
なんて言ってるけど

物事は、たいてい何でも二面性を持ってるよね。

例えは汚いけど・・・
メシを食えば必ずクソが出るワケだし・・・これが自然の法則ってモンだね。

根を詰めて何かをしていると・・・
まったく正反対の何かをしたくなってくる。

学生時代には、よく・・・
試験勉強をしなければならない時に限って
普段は読書などしないクセに、無性に本が読みたくなったりして、ね。

でも、それは単に目の前のコトから逃げだしたいだけで・・・
決してバランス感覚がいいワケじゃない。

三島由紀夫は、作家のほか、歌手や俳優、モデルまでやったマルチ・タイレントの走りだが・・・
芸術活動の対局に「楯の会」という100人の学生で組織した自衛団みたいなモノを作った。
最後は、その学生たちといっしょに自衛隊に突入してしまうワケだけど・・・

「(楯の会における)私の行動が、私の書くものに少しでも影響を与えてしまったら
 自分が負けたことになる。それが私の文武両道だ」

というようなことを言っている。

漫画の神様、手塚治虫は・・・
「漫画は本妻、アニメは愛人」と言って本業で稼いだ金をアニメにつぎ込んだ。

いずれの場合も・・・本業で人一倍稼ぐだけの力があったからできたコト、なんだよね。

金に困っている人が「金だけがすべてじゃない」と言ったところで・・・
負け惜しみにしか聞こえない。

私も本業のほかに、いろんな余計なコトをたくさんしているけれど・・・

仕事のうえでは何よりもお客さんを満足させること。
その結果、稼がせてもらって、家族には絶対にひもじい思いをさせないこと。

それができたうえでなければ・・・
いかに意味のあるコトであっても、自分のやりたいコトなどやる資格はないと思う。

三島流に言えば・・・
自分のやりたいことをして少しでも得意先に迷惑をかけたり
家族に渡すべき月々の金が減ったら・・・自分が負けたことになる。
これが私の文武両道。

それができないと現実から逃げているように見られてイヤだし・・・
実際、逃げることになるし・・・
逃げて何かやってたとしても・・・ロクなモンはできない、と思う。

ハングリー精神って・・・決して「腹が減ってること」じゃないんだよね。
本当に腹が減ってしまったら・・・精神どころじゃなくなっちゃう。


参考資料:「三島由紀夫/最後の言葉」古林 尚=対談 新潮カセット 新潮社=刊 ほか