Episode No.415(991225):職業不倫のすすめ
特別に"不倫"そのものに興味があるワケじゃないんだけれど・・・。
たまたま"不倫"を切り口としたドラマづくりを通して、自分なりにいろいろとシュミレーションをしてみたり、さまざまな年齢、性別の人たちと話していると、なくとなく見えてくるモノは多い。
つい先日も結婚したばかりの女性に、こんなイジワルな質問をしてみた。
自分のダンナさんが「たまには別な女と」なんて気持ちで、いかがわしい店で遊んでくるのと・・・、肉体関係はまったくない相手だけど、その人といると心が安らぐと言って別な女と密会を続けているのと・・・どっちがマシ?
私の定義では、前者が"浮気"、後者が"不倫"だ。
彼女の返事は"案の定"、後者の方がイヤだ・・・ということだったけれど、もちろん前者も許せない。
新婚さんだから・・・当然だけど、ね。
浮気も不倫も考えようによっては、オトナとしてのルールを逸脱した、いわば"子供がえり"の行為であるような気がする。
浮気がイイとは言わないけれど、守るべき家庭というベースを崩さずに行われようとする場合が多い浮気に対して、『失楽園』のように場合によっては、すべてを捨ててまで突き進んでしまう不倫の方が、より"子供がえり"の症状は重いと言える。
そして、子供をやめて無理矢理オトナという型にはまろうとした人に、そういう症状は出やすいんじゃないか・・・と考えられる。
つまり、強引にねじ曲げられた部分がヘンなところで飛び出してしまうような・・・。
これは何も男女関係に限らず、酒やギャンブルに走る人もあれば、極端な例を言えば殺人に走ってしまう人もあるだろう。
子供の頃に描いた夢をあきらめてオトナになるのではなく、その夢をオトナの技術をもって強化して実現するコトが、やっぱり理想だな。
本当に自分がやりたいコトをやっていれば、言い訳もないし、余計なコトをしているヒマもない。
最近、何かの雑誌に『職業不倫のすすめ』みたいなコトが書いてあったと知人が教えてくれた。
たとえ今やっている仕事が自分に合っていなかったり、経済的な仕方なくやっているコトだとしても、自分がやりたい仕事は別なところでも必ずやり続ける工夫が必要だ・・・という内容らしい。
そういえば手塚治虫は「漫画は本妻、アニメは愛人。だからアニメはお金がかかる」と言っていた、な。
そういう意味では、私にもたくさんの愛人がいる。
いくらお金や時間、労力をつぎ込んでも、愛人との仲は成就しない・・・モンだよね。