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Episode No.778(20010222):今、何を手にすべきか?

「料理の鉄人」という言葉は、すっかり一般的に使われるようになったね。

こういう言葉の組み合わせは面白い。
さしずめ自分を例えたら・・・
「大人になれない三児の父」か「哲学する商売人」とでも言ったところか。

さて、今日は・・・「ピアノの詩人」フレデリック・ショパンの誕生日。
ショパンがポーランドに産まれたのは今から191年前、1810年2月22日のこと。

わずか39年の生涯に残した曲は約200曲。
特徴的なのは幻想曲から子守唄、舟唄にいたるまで、幅広い分野にわたる曲を残したという点。

短命の芸術家の話は、ついこの間もしたばっかりだけど・・・
同じ作曲家では、シューマンも46歳という短い生涯を精神病院で閉じている。
37歳の奥さんと8人の子供を残して・・・。

最も短命な芸術家ほど、世の中に認められたのは早い。
ピアニストとしてすでに神童の名をほしいままにしていたショパン。
その名をさらに高めたのは最初の曲『ロンド』だが・・・わずか15歳の時だった。

つまり短命ではあっても・・・
普通の人の一生分、もしくはそれ以上の仕事は世の中に残しているワケで・・・
だから、現代の私たちもショパンの名を知っている。

ところが、歌人・石川啄木が小説家になりたかったように・・・
ショパンも作曲より、やりたいことはあったようだ。

それは・・・何と戦争。

戦争と言うのは、ちょっと語弊があるかも知れないが・・・
当時、ロシアの支配下にあったワルシャワを解放せんと母国は闘争の真っ最中。

男・ショパンも銃を持って立ち上がろうとしたが・・・
親友にこう言って止められた。

「君は銃を持つより、リッパな音楽を作った方が祖国のためになる」

そこで仕方なく、その思いをぶつけてできあがった曲が・・・『革命』。

そういえば医師を目指した手塚治虫が医大の教授に・・・

「君みたいなおっちょこちょいが医者になったら患者が迷惑してしまう。
 それより漫画が描けるんだから、漫画を通して子供たちの心を支えたらどうか」

と言われた話にも通じてるよね。

ショパンの親友は実に先見の明があった。
もしも、ショパンが鍵盤を叩く代わりに引き金を引いていたら・・・
ショパンの人生はもっと短いものになっていただろうし、
私たちがその作品にふれることもなかったろう。

まぁ、すべては結果論だけどね。
結果を残せる生き方をするには・・・今、何かを築きはじめないと、ね。


参考資料:「歴史の意外なネタ366日」中江克己=著 PHP文庫=刊 ほか