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Episode No.763(20010205):事件ですよ!

今から127年前の今日・・・
明治7=1874年2月5日、ある職業がその名称を変更した。

旧称を「邏卒(らそつ)」と言う。

もともと邏卒は、見回りの兵卒を指す名称。
兵卒とは、軍人の中で持つとも位の低い者を指す言葉だ。

邏卒が首都・東京に誕生したのは、名称変更3年前の明治4年。
当初配属されたのは、3,000人。

明治4年に東京警視庁が設置されたのを機に・・・邏卒は「巡査」と改称された。

仕事は何でも大変だけど・・・お巡りさんの仕事ってのは、とくに「大変だな〜」と思う。

職業を聞かれただけで嫌がられるっていう意味では、税務署員も同じだろうけど・・・
お巡りさんは「命がけ」だからね。
まして不祥事のおかげで・・・
真面目に現場で働いてるお巡りさんにとっては肩身が狭い。

私もかつては大のお巡り嫌いだった。
未成年の頃はね・・・いろいろワルサしてたから。
その後も交通違反では何度かお世話になってるけど・・・
「納税者」になったからには「使わなきゃ損」とばかりに、何かあれば即通報してる。

昔、見るからに酔ったオジさんが・・・
歩道で棒きれを振り回している場面に遭遇したコトがあった。

オジさんはフラフラで、とても棒きれを人に当てるコトなんかできないのだが・・・
通行人はオジさんをよけて車道を歩かなくてはならない。

近くに交番があるコトを知っていた私は・・・例によって即通報した。
ところが、たまたまそこにいたのが見るからに新人の警官。

ベテランだったら、おそらく「オジさん、危ないよ〜」とか言って
棒を取り上げて終わるところだろうけど・・・

緊張しきった様子の新人警官は・・・
いきなりオジさんに向かって「武器を捨てなさい!」って叫びながら、警棒抜いちゃった。

オジさんは、とにかく自分を相手にしてくれる人がほしかったモンだから・・・
ニヤニヤしながら「オラ、オラ」とか言って明らかに楽しんでる。

新人警官は、オジさんとニラみ合いながら無線を使って必死で応援を呼ぶ。

やがて通行人のひとりがオジさんを後ろから羽交い締めにした。
すかさず新人警官は思いっきりオジさんのヒザのあたりを警棒で殴りつける。
そうとう頭に血がのぼっていたせいか・・・うずくまるオジさんの腹にケリまで入れた。
これには、さすがにヤジ馬からも「ひでぇなぁ」と、ささやく声が・・・。

パトカーが来て一件落着。
でも、そのオジさんもしたたかなモンで・・・
うずくまりながら目の前のシケモク拾って吸ってたよ。

さて、このエピソードで、コトを大げさにした最も罪深い人は誰か?
ひょっとして、私?


参考資料:「歴史の意外なネタ366日」中江克己=著 PHP文庫=刊