Episode No.365(991027):老いも若きも 「高齢者マーク」・・・いわゆる「シルバーマーク」を貼り付けた自動車が増えてきたように思う。 75歳以上の運転者が、普通自動車を運転する際に、車体に貼り付けることが推奨されているオレンジと黄色の涙のカタチを思わせる「シルバーマーク」は「若葉マーク」の高齢者版。 「若葉マーク」への配慮と同様に、これを付けた車に幅寄せなどをすると罰則の対象となる。 元気なお年寄りが増えたのは、実に喜ばしいコトだが・・・正直言って、運転が危ない人も少なくない。 車に限らず、バイクでも自転車でも・・・あるいは歩行者でも。 周囲の状況におかまいなしで、フラフラと進む高齢者には近づくのも怖い。 ひょっとしたら自分ではまっすぐ進んでいるつもりかもしれないけれど・・・。 つい先日も知人が車を運転中、交差点で前を見ずに進んできた車に突っ込まれた。 相手は70歳以上の老齢ドライバーだったらしい。 実際、交通違反者の年齢別統計を見ていると・・・ 若者なるほど「速度違反」が多くなるが「操作ミス」や「一時不停止」などは、割合としては少ない。 60歳を越える高齢者の場合は、まったくその逆。 「速度違反」は、まずないものの「操作ミス」や「一時不停止」の割合が他の年代に比べて断然高くなっている。 運動能力は20頃を境に低下するのだから、極めて自然な結果だが。 問題は自分の衰えを計算に入れない"過信"にあると思う。 ペーパードライバーでも無事故だというコトでゴールド免許がもらえる現在の免許システム。 書き換え時に視力検査はあるものの、体力想定の項目はない。 いかに運転歴が50年あろうと、自分は確実に機敏性を失っているし、交通事情だって半世紀前とは比べものにならないだろう。 自分が30を越えたあたりから思うのだが・・・。 歳を重ねるごとに仕事や家庭の面でのしかかってくる責任は増えてくるが、精神的な感覚としては、実は20を越えた頃から死ぬまで変わらないんじゃないか・・・?! まわりから、先輩、お父さん、おじいちゃん・・・と繰り返し呼ばれるようになって、なんとなくその役を演じるのがウマくはなってくるし、それらしい風貌にもなってくるけれど・・・中味は20過ぎの時のまんまなんじゃないだろうか?! 若くいたい・・・というは誰でも望むことだろうけれど、"時"は残酷なまでに平等だ。 何にしても「つもり」だけじゃ生きられないし、そこに現実との歪みができると、その無理は大地震のようにある日突然襲ってくる。 歳をとったらとったなりに自分の衰えを計算に入れて行動できるのが、"イイ大人"だと思う。 でも、たとえ年齢的には若くても決して安心はできない。 肉体的なピークなど、アッという間に過ぎてしまうからね。 例えば30歳のキミ。 20歳の頃と同じ条件で徹夜で飲んだり、仕事したり・・・できる? 変わりない・・・と答えられれば、それも結構だが、特別に鍛えているワケでなければ、たいていは無理。 鍛える努力もしないのに、できるつもりになっている・・・。 そういう"根拠のない自信家"には、なりたくないよね。
参考資料:道々・・・
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